沖縄の梅雨はあと一ヶ月続くのだそうです。
ハーリという船こぎ競争が梅雨の終わる頃にあって、それで本格的な夏なのだそうです。ハーリ大会の日は雨は降らないのだそうです。
これは、今回も含めて、何度かわたくしをセンターから空港まで運んでくれたタクシー運転手さんのお話。かれは勝連と平安座と両方のハーリチームに参加してるのだそうです。この運転手さんは月桃なる葉の大きな植物がどういうものであるか実物も指さしながら運転して、教えてくれてました。むーちーなるお菓子もあるそうで。それが本土での柏,柿、竹の葉のような役割を果たしてるのか、おもちのような食べ物をくるむとの話しを聞きました。食べたことは無いのでイメージがわかないのですがたぶん柏餅とか柿の葉寿司のようなものか。これは、わたくしが月桃株式会社とはいったい何の意味かを質問したときの情報でしたが。
今回は、足かけ3日、短いけれども、わたくしには充実したスケジュールでした。メンバーにとっては、どうもわたくしは毎月来る台風的存在かもしれませんが。
JR西日本は今回の事故で、その体質が厳しく批判されているので、わたくしが別に追い打ちをする必要はまったくありません。ただあまり話題にされてない論点をちょっと述べておきたいです。それは信楽線事故についてです。私見ではこの事故について、JR西は立ち戻って総括しなおさないといけないと思うのです。この事故のことを詳しく書く必要はないでしょうが、40人以上の死者をだした大惨事でした。単線でのJR西列車と信楽高原鉄道の正面衝突という悲惨な事故でした。この時、JR西はまったく責任がないと言い張っていたことが強く印象に残っております。その時の社長が今の会長で、今の社長以下はその時の要職の方々ばかりでした。かれらは信楽線の事故被害者にただの一度もお詫びもしてないはずです。ただ裁判ではJR西の責任は問われてるはずです。
信楽線事故の時には、信号システムについてJR西が重大な責任を負わねばならぬような行為があったと言われてます。真相はわかりません、しかし、あれだけの大事故があってもいっさいの責任を否定していたのですが、わたくしが読んだものからは、JR西は相当な責任を負うべきという印象を強く持ってます。しかしいっさい責任は無いという態度を最後まで貫いたこと、これが今回の福知山線事故の時のすべての問題点の源にあるのではないかと思えるのです。
置き石が原因とかいう最初の発表も偶然の出来事ではないし、その後のJR西の勤務者の無関心の行為も遠因は信楽線事故におけるJR西の無謬性の主張と関係があるように思えるのです。だれでも過ちは犯すのです。まったくの100%偶発的な悲劇的な事故ということでなく、かなり人為的な事故と世間が強く印象づけられてるのも、JR西がこれまで無謬の企業であるとトップが頑強に主張してきたことと、関係があるのではないでしょうか。
こんなことを長々と書いたのは、わたくしたちがやっている科学の世界でも同じようなことがありうるからだと思うからです。われわれが行い、公表する科学の成果にはいつも誤りが伴いがちです。わたくし自身も自分の研究室から公表する論文内容の100%が正しい等とは思っておりません。ただ、誤りが発見されたときにはなぜそのような誤りがおきたのか、その説明が出来るように最大限、努力します。もしも誤りを気がついたのに、それを隠したり、嘘の説明をしたら取り返しが付かないことが起きるからです。
隠蔽や嘘は単に倫理的にいけないと言うだけでなく、研究室という組織の土台が腐ってくる恐れがあります。嘘のいいわけはラボの中で継承されて同じことがまた起こりがちです。
データの改ざんや捏造は論外です。そんなことがラボ内でおこりだせば、腐敗はラボの深層に達するでしょう。
もしも公表論文で困った事態が起きても、正直にしかも上手に説明すれば、たとえしばらくは世間の不信や怒りを引き起こしても、そのうち許されるはずです。正直に勝る、説明はない、というのが科学をやるうえでの鉄則かと思えます。一方で、科学論文の公表で過ちを起こしたときに、最大の誠意をもって事に当たり、正直な事実開示で示す、これが組織内部と周囲をしっかりさせる唯一の方法だと思うのです。
それから、きょう一つ論文を投稿しました。