数日前のG0細胞のことで、来訪者というかたがコメントをしてました。これは生殖細胞に似てるのかもしれないと。その後で、実験的な根拠があるわけでないことを匿名でコメントしたということで反省の弁がありました。わたくしは、まったく気にしてませんので、気にしないでください。沖縄のメンバーも同様でしょう。
たしかにこのG0細胞は耐久性が高そうなので、生殖細胞でないのに、みかけ胞子的な細胞に似せた性質を持ってそうなのです。ですから、このコメントはある意味で当たってるとおもってました。どれくらい耐久的かはこれから調べますが、熱に強いのは間違いありません。ただし、最近の結果では放射線なんかには増殖中の細胞よりは、ずっと弱いのですね。その弱い原因も、段々わかってきましたが。
酵母はなぜか昔から植物的な扱いを受けてました。しかし、細胞分裂はアクチンとミオシンが作るリングがきゅっと締まるような感じで起こるので動物的です。同じ微生物の原生生物よりはずっと植物的なことは間違いありません。
先週のNatureに細胞性粘菌のゲノム全DNA配列の発表がありましたね。おおむかし、わたくし院生時代にこのDictyostelium discoideuキイロタマホコリカビを研究してましたので、懐かしく思いながら読んでみました。やはりこのアメーバと胞子体と柄を持つ多細胞体をサイクルする生き物は植物と動物の中間的な性質が強そうでした。
わたくし、子供の時に最初に生物に興味を持ったのが千年前の種から育った蓮の花が咲くとかいう、新聞記事でした。大賀博士の蓮の花ということで、そのころのそうですね高松塚古墳の発見に匹敵するくらいの大きな記事でしたね。それと、小学校3年のころにメダカか金魚か記憶が定かでないのですが、水槽の藻についた卵を毎日毎日レンズで観察して絵日記を描いたことがあります。これが後に生物を本気に職業的に考える基になる経験なので、まあ今の研究はその頃となんかつながる感じなのですね。
つまり生命継承とか、生殖細胞、卵とか種とか生き物の起点に関心があるわけなのです。三つ子の魂とかいいますが、本当ですね。
それでここまで描いてきて突然思い出したことがありました。
わたくし、幼稚園に行ってません。わたくしの世代でも多くの人は幼稚園に行ってますから、珍しい方です。たぶん理由は戦争続行中にはまだ疎開していて、疎開先はかなりの田舎なので幼稚園も保育所も無かったのでしょう、周りには子供の世話をする人達がたくさんいましたし。
それで終戦の次の年に、東京に戻ってきてからも時期が時期なので、まあいいだろう、とほったらかしにされていたのでしょう。親も必死になって働いて、食べるだけでも大変な時期でした。
そこで、東京での就学前は何をして遊んでいたのか、たぶん適当にいろんな大きな人達の後についていたのでしょう。ただ一つだけ鮮明に覚えてる一人遊びがあります。
たぶんニラを切って、それを地面の穴につっこむと奥の方で虫がそれをかじってるようで、そーっと引っ張るとその虫が地面まで上がってきます。なかなか最後まで取り出すのは難しいのですが、穴出口直前まで来る。これを何度も何度も飽きずにやった記憶があります。これもなんか三つ子の魂的経験でした。
これなんの虫だったんでしょうか。どなたかご存知の人いたら教えてください。