蛇の話し Snake story

昨夜、家に戻りますと、妻が「Iさん、蛇を逃がせたそうですよ」というので、思わず耳を疑う。あの蛇は死んでますよ、とOさんはいったのに。それでもたしかにシッポはいちおう動いていたがいやあ頭も上の方はしっかり死んでますよ、とOさんはいったではないか。彼は度胸があって、頭のところを触っていたのだが。工務店経営のIさんがいうにはネットからはずしてやったら、ちゃんと草むらに逃げていったそうだ。蛇は生命力が強いとあらためて感心。
サンサンネットなるものがあって、これを野菜やイチゴや果樹にかけておくと虫など、特にチョウチョですが、それに鳥も被害を与えられないので大変便利です。柑橘類の幼木などはこれをかけておかないと、毎年丸坊主になるし、やさいの葉っぱも食べるところがなくなるくらいです。無農薬、週末一日の農家としては、この薄くて軽いネットが必需品なのですが、どうも畑のなかのカエルやトカゲなどを追跡している、蛇君にはたいへん危険な代物らしい。昨年はたぶん5匹がこのネットに絡んで気の毒に昇天してしまった。1週間に一日ですから、どのようなドラマがその間畑で展開したのか、まったく分からないのです。やってくると、既に蛇は絶命してるのですから。ヤマカガシではなく、アオダイショウのまだ小さなヤツではないかと勝手に分類してますが。
それがこの間の土曜に行ったら、サクランボの樹にかけたネットに一匹絡んでました。逃がしたいとおもってそばに行くとジーつとわたくしを見ます。かなり賢そう、そう凶暴にもみえないので、棒でネットからはずそうとしたら激しくシッポだけ動かす。どうも頭からネットの目に入って、胴体の真ん中あたりで行くも戻るも出来なくなっている。はさみでネットを切ろうとすると、思いのほか胴体は長く暴れるので、そのうえわたくしの顔をジーつと見続けるので、とうとう嫌気がさして、退散してしまいました。
日曜には米国から来たC夫妻が比良の方まで来たのですが、その時一緒に来た研究室のOさんにその蛇見せたら、かれは触ってもう死んでますよと言ったのだが。死んだふりしたのか、仮死状態だったのか、ともあれ月曜日にきた工務店のIさんも気持ち悪かったが、20分かけてネットに大きな穴をあけて地面におとしたらネットからはずれて逃げていったそうな。この間、日曜には、別の柑橘類の幼木にかけていたネットの地面側に蛇がもう一匹絶命してるのを発見しました。乾燥するとかなり臭いのですがまだ穴には埋めてません。

死んだ叔父と最後に酒を飲んで話したときに、彼が上機嫌になって四方山話をしてるときに、突然、「みっちゃん、あのなこのあいだ家の大木を切ったら、樹の中がなヒビだらけでな、困ってしまってなァ」笑いながらいう。材木屋の叔父なので敷地の中にある大木を切って何か大黒柱でもつくろうとしてるのかなとおもって、「そりゃ困ったでしょう、ヒビだらけだったら、それじゃ使えなかったでしょ」というと、叔父は「いやああんなに沢山ヒビだらけでは、驚いたのなんの、ほんとたまげたよ」と大笑い。この時点でわたくしもなにか話しがかみ合わないのに、気がついて、「ええ、ヒビですよね」、という「そうだ、そうだ、ヒビだ、ヒビだ」、「ああそうかヘビですか?」、「そうそうヒビだ、ヒビだ」。こういうことで、詳しく聞くと10匹くらいヘビがからまりあって、樹の中にいたのだそうです。夢にでそうなくらい怖い話しでした。そのヘビの大群をどうしたのか聞く気力もなかったですが。
ヘビを見ると、怖さのあまり興奮していつまでも姿をけすまで距離をあけながら追いかけた幼児の頃を思い出します。
ところでわたくし、ヘビ年です。

わたくしも海外留学体験してますが、最初の3年間のスイス、イタリーなどは当時のわたくしには竜宮城、桃源郷に相当するような生活でした。それに対してその後で生活した、米国ではあまり楽しくなかったのは、何しろ身の危険を感じることが何度も何度もあったからです。安全に生きるには浮浪者同然の格好をするのが一番という地域で働いてましたので。当時(1971年)の米国東部の大都市ダウンタウンの危険性は相当なものでした。夜間、目の前の通行人が突然ナイフを出すかもしれないと思いつつ道路を歩くのはなかなかの経験でした。

ところで、このあいだ、K大新聞の編集の学生Nさんが来て、インタビューをしていきました。ゲラを見ると、このブログを話題にした部分が大きかった。2回に分けて出るそうだが、今日か昨日か出たのでしょうかね。そういえばわたくしの周辺ではK大新聞あまり見かけない。K大学生新聞はよく見かけるのだが。

「追記」これを書いて仕事をして、帰ろうとアサヒ・コムを見たら、なんとヘビが東北新幹線を止めたとか。生きてでなく、死んで止めたというので、もしかしたら、コメントにあるように夫婦愛の強い蛇なので、列車に轢かれて妻を失った夫の怒りの特攻攻撃かもしれないですね。ともあれ、サンサンネットの会社の人には蛇を殺さないネットをつくってほしい。わたくしも、張るときには十分気をつけます。

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