アスベストによる職業病  Occupational disease by asbestos

きょうは梅雨の合間の晴、雑草とりに精を出しました。エンジン付きの草刈り機を2台使ってやります。一つはナイロンの紐が付いていて、もう一つは金属の刃が付いてるものです。刃は割合危険なものですが、これがないと、年間5回くらいやる草刈りは困ります。最近はこの刃の性能が上がって、大けがをする人が増えてるとのことを、Iさんから聞きました。わたくしは必ず肩ひもを使って安全対策はしてるつもりです。ナイロンのは石とか木の周辺など刃を使えないところの雑草取りに使います。こちらは石などがとぶので、フェースマスクは必需品です。

石綿(アスベストasbestos)による健康被害としての悪性中皮腫(mesothelioma)なるものをすこし勉強してみました。診断は即時には出来るようなものでなく、経過的になされるようですが、これから日本ではアスベストに触れたことのある人達を中心に非常に多くの人がこの悪性腫瘍になるだろうといわれてます。いまのところこれといった治療法がないので深刻です。PubMedでもこの癌の遺伝子レベルでの研究はほとんどなされてる気配がありません。
インターネットでみると、日本国内で、これからの25年間で5万人以上の死者を予想する記事もありました。肺がアスベストにさらされると20−30年間後にこの病気になる可能性があるからです。細かい塵になってるので、肺から除かれずに残存するのでしょうか。その毒性物質はどの程度わかっているのか。

PubMedで見ると、1955年に米国と英国の2カ国で、アスベストに従事した人達の健康被害、具体的に肺癌になる、職業病だと指摘した論文が出ています。いまから50年も前にアスベスト特有の肺癌があるとの報告があったのです。

しかし、どうもこれらの論文が直ちに深刻に取り上げられた気配がありません。
石綿はその建材としての有用性から代替え品がなかなか出なかったことも一因らしいです。米国、英国でもなかなか使用停止にならなかったといわれてます。しかし、その間患者が米国では多くの訴訟を起こして、勝訴して、アスベストを作っていた多くの会社がつぶれたらしいです。これだけ明確な因果関係が出たにもかかわらず、いろいろな理由をつけてアスベストが使われていたらしいです。

日本ではとうとうクボタなどの業界会社が情報公開を始めて次々にいろいろな驚くべき事実があきらかになってます。悪性中皮腫と診断された80%はアスベストが原因だとのことですから、関係会社は因果関係から逃げることはできません。

50年前に明確な因果関係が出たような病気がいま大きな社会的問題になってるのです。関係者はたぶん大声でずっと警告を発していたに違いありません。どうして、こうなってしまうのか。この問題はこれからおりおりに勉強して見たいと思いました。

喫煙の問題も似てますね。これも学問的には完全に決着してるのですが、いまだ個人の嗜好品なのでいいじゃないですか、という議論が勝ってるのですね。
平均寿命が7年程度確実に短くなるものを国家が嗜好品として販売許可して良いのでしょうか。昔は専売公社といって政府直轄で売ってたわけですが。
わたくしは、生命科学者はたばこを吸ってはならないといってるのですが、しかしその忠告を聞かないで吸ってる人も周りには居ます。本当に残念です。
この麻薬化合物(ニコチン)を含有した嗜好品を一刻も早く吸う人を減らさねばなりませんが、いくら言ってもわかっちゃいるけれどやめられない人達、どうすればいいのでしょうね。

タイトルとURLをコピーしました