昨日は義父の七回忌の法要があり、早朝家を発って、東京の護国寺に行きました。うららかな秋の日和で、集まった人達となごやかなとひとときを過ごしました。義父は温顔を絶やさない、愛情豊かな人で、立派なかたでした。わたくしたちの結婚式が終わった後でやってきて娘をよろしくと言われたときの、なみだで一杯の顔は忘れられません。
境内ではちょうど陶器市のようなものをやっており、つい、いつもの癖で、2,3古いものを買ってしまいました。規模ははるかに小さいですが、京都東寺の弘法さんとおなじような感じで野菜や、盆栽、大工道具なんかもありました。古い東京の良さを感じました。
法要と墓参後の昼食は、義母を中心にひ孫も4人参加して家族水入らずの楽しい時間を過ごしました。若者達も、毎年成長を続けていました。くらい話題のない平和な集まりでした。わたくしの家族も全員出席しました。みんな元気そうでなによりです。
そのあと、私事をひとつこなして、夕方の新幹線にのり帰宅しました。平素と違うこともあり、疲れたのか今朝は7時半まで寝てしまいました。きのうの昼食の量はすごかったので、夕食抜きでまったく翌朝までおなかが減りませんでした。
わたくしの両親も、父の13回忌、母の3回忌をすませており、故人となっていますが、死者は遠くなるのでなく、年々近づいて来てるような感じがします。
若いときには分からなかった、感覚です。
ときおり、ふっと故人のすがたかたちが頭を横切るときがあります。その時の、感じは死者ではなく、生きていてつきあっていたときの様子であり、なかなかリアルな感じです。
そのうち、こちらと向こうの区別が分からなくなるようになれば幸せなのだろうか、と思うことすらあります。
義父のことや両親の事などおもいだしながら、ふとテレビをみたら、本田美奈子さんの追悼番組をやってました。ちょっとだけ見ようと、思ったのですが、つい釘付けになって最後まで見てしまいました。
わたくしは、このかたのことは名前程度しか知らなかったのですが、華と実力、才能それに大きな人間的力量を備えたすばらしい方だったのだと、実感しました。
夭折することにより、その実力が改めて認識され、また失ったものの大きさを感じるのでしょう。このかたが大成されたら、と思うかたがたは沢山いるのでしょう。月並みですが、ほんとに惜しい。
わたくしは、病気の類似性もあり、女優で早く逝かれた、夏目雅子さんを思い出しました。この方も生きていて欲しかったです。
お二人とも、大器であるのに、十分に生きられなかった。
逝った人達は、みな元気な時の姿でわたくしのまえに現れます。高校時代の時に仲良かったTYが癌でなくなってしばらく経ちますが、いまでも何かの時にふっと思い出されますが、いつもその時は、かれもわたくしも高校一年のころの姿と口調で現れてきます。病院で彼の死の直前に会っているのに、その時の彼の姿ではなく、同じクラスで始めて会ったときの初々しい彼になるのが不思議です。