風邪、アスベスト、英語

咳が出て、風邪にかかったことはまちがいありませんが、熱はでてないので、予定通り、沖縄に関空経由でいきます。ただ、うつすとまずいな、とは思っています。

昨日の講演後の質問のひとつに、アスベストによるがん化をどう考えるかというのがありました。たしかに環境変異原としていまアスベストはもっとも関心を持たれているに違いありません。実験室の研究ではこのような長期間かかって効果がでるような環境変異原の原因を定めるのはほとんど無力で、疫学的方法が頼りになるのです。
あえて推論をすれば、アスベストが肺の奥深いところに入り込んで、細胞レベルで損傷修復チェックポイントをかぎりなく長期にわたって継続して活性化してきたのではないのだろうか、と返事しました。損傷修復チェックポイントとはDNAにわずかでも傷がつくと検知して細胞が増殖メカニズムレベルでいろいろな応答をするものです。
そのDNAの傷の修復過程で突然変異が起こり、その変異ががん化の引き金を引く可能性があります。
しかし、細胞レベルで数十年というのは途方もなく長い時間なので、だれもが納得する原因追及はこのアスベストが原因の中皮腫についてはとても時間がかかるでしょう。ですから、中皮腫のほとんどがアスベストが原因とする疫学的判断で患者の救済に向かうのは至極まっとうな判断であるのでしょう。
人為的な原因ですが、しかしアスベストがきわめて優秀な建材であったことから来る、判断の先送りがどこでどう起こったのか、専門家の説明と判断を聞きたいものです。
ところで、いつも同じ事をいうのですが、たばこが原因のがんがこれだけ起きているのに、たばこがアスベストと同じように扱われないのは、わたくしには不思議でたまりません。マスコミ関係者の喫煙率の高さと関係があるのでしょうか。かつて、高名な評論家の奥さんが亡くなったときに肺がんが原因と何かの雑誌でよみました。まったくたばこを吸わないのに不思議なことと思っていましたら、この奥様は夫の書いた原稿を最初に読むので、常に家でも傍にいたと、この評論家ご自身がチェーンスモークしながら、テレビでしゃべっているのをみた事があります。ただアスベストと比べるとはるかに救いがあるのは、禁煙すれば急速に肺の状態は良くなると言われています。

厳戒の京都でしたが、ブッシュ大統領と小泉首相おふたりにとっては世間もいうとおり蜜月なのでしょうか。でもこれは個人レベルのことで、米国も民主党が大統領をとれば対日政策はがらりと変わる可能性が高いのはクリントン政権時代を思い出せば自明です。
草の根レベルで日米関係がますます良くなっているとはだれも思ってないでしょう。悪くもなければ特に良くもない。それが隣人関係ではいいのかもしれませんが。米国人の知日知識人を日本は尊重するけれど、米国が米国をよく知る日本人を尊重するとは限りません。松井もイチローも業績はほんとに立派ですが、かれらの英語はまだかなり低いようですね。取り巻きが甘やかしているのではないでしょうか。
朝青龍や琴欧州の日本語はまったく立派です。それに、ひきかえとおもうのはわたくしがひねくれているせいでしょうか。そういえば中田選手のイタリア語も英語もほんと立派でした。
4年間で60億円とかいう収入なのだそうですが、やはりびしっと英語をしゃべって米国人にほんとうにナイスガイなんだと分かってもらいたいですね。
わたくしは個人的にはかなり情けないと思ってます。それから、小泉首相の英語もやっぱりどうもというレベルのようなのが、これも残念です。どこの国でもおなじでしょうが、その国に長く住んでその国の言葉をおぼえないのは親しまれないし、きつい言い方ですが、失礼でしょう。

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