あまり天気の良くない、ぐずついた日でした。
夕方に、娘夫婦と双子が到来。一挙に賑やか、ハイテンションに。
年寄りだけが住んでいる家はときおり、こういう幼児の元気の良い声、鳴き声、金切り声を吸収しないといけないのだな、と思いました。家に潤いがでるというか、本来の家になるというか、そういう感じです。
夕方までに、精を出して仕事をしましたので、だいぶ進みました。なんとなく、今年はだいぶいい年になるかな、という予感があります。初しごとの勘です。
増えないで生きている細胞は、どうやって生き続けるのか、こういうちょっと手がかりをつかみにくい研究を始めています。場所としては、沖縄が主体ですが、でも染色体分配の問題とほぼ同様に考えだしていますから京都の仕事でもそのあたりが段々色濃く反映しだしています。。
増えないでも生き続ける細胞というのは、人間のおとななら体を作る大部分の細胞はそういう細胞のようです。しかし、研究者としては、増えない状態では研究しにくいので、とりあえず増えた状態にして研究データを生みだすわけです。しかしそれでは、増えない細胞の理解は出来るはずがありません。
増えない細胞は増えることをキッパリ止めて、増えないことに専心しているので、増えている細胞のデータで、増えない細胞のことを理解しようとおもってもそれはやはり無理です。
再生医療といわれる期待はすごいのですがまだあまり実効性の高くない医療でも、再生というと細胞がどんどん増えて器官が出来てくるイメージがあり、とりあえず再生のための細胞増殖が頭に浮かびがちです。しかし、再生はあるところまでいったらそこから先は増えずに、機能をもった臓器の状態で何十年も(できたら)使えなければなりません。そういうわけで、増えない状態の細胞が理解できないと、再生医療の将来性もはかばかしくないのです。
増えない細胞も不死ではありません。生き続けようとしても、そのうち老化して死んでしまいますので、適当に細胞を補充せねばなりません。そのために各組織には幹細胞というのがあって、少数の細胞を常に補充するらしいです。
この幹細胞というのも大変興味深いのですが、平素というか、基本型は増えない細胞なのではないか、などと思ったりしてます。必要に応じて、増殖フォームになるわけです。
そういうわけで、いかにして、この増えない状態を維持しているのか、その仕組みを理解しようとしているのですが、常套手段として、いくつかの、理想的には一つか二つの、遺伝子機能が根本的に重要だと分かりやすいのです。たくさんの遺伝子がかかわるのだったら、設問のしかたが悪いのだと思います。正しく質問をすれば、ごく少数の必須遺伝子がみつかあるはずです。