午前中は、狐の嫁入りみたいな天気でしたが、午後からは素晴らしい天気で、畑作業日和になりました。おかげで、朝早くから午前11時くらいまでは、F君の大詰めの段階に来たのを書いたり直したりして過ごせました。それから、太陽がさんさんと光る外で、出来るときは出来るまでやるという、モットーの畑の準備作業を疲れるまでやりました。忙しいことです。この時期によく考えて働けば働くほど、あとの楽しみが増えるのですから、農作業は楽しく刺激的です。わたくしの耕す面積はたぶん120平方メートルくらいでしょうか。樹木の管理を入れるともっとありますが、とりあえず畑はそんなものです。そのうち、猿よけケージが40平方メートルあって、これの作業は垂直方向もありますので、夏はたいへんです。しかし、やりがいがあります。
わたくしが前に書いた生命科学者になるための10か条の本で、研究は、漁業、農業、林業の三側面があり、良き研究室はそのどれが欠けても駄目と書きました。
つまり、日々の研究の興奮が漁業的側面。数ヶ月後、もしくは半年後くらいに発揮される研究の興奮が農業的側面。そして、数年、出来たら10年もしくは20年先の研究の成果のもたらす興奮を考えるのが、林業的側面でした。
わたくしがいま経営している研究室は、漁業、農業的側面はかなりうまくいってると思うのですが、この林業的側面がいかんせん脆弱というか、わたくしという研究室経営者のスタンスがしっかりメンバーに伝わっているかどうか、不安な面があります。
しかし沖縄のG0研究室のほうは、研究員のうちポスドクはかなり自立性を高めてもらってるので、彼等自身が林業的なmotivationを高くもってくれれば、あまり問題はないでしょう。しかし、京大のほうは、まだまだ飛ぶことも出来ない院生が多く、雛が口を開けてぴよぴよ鳴いてるような面もありますので、かれらに林業的な計画性などは話したところで、わかってくれるのはごく少数です。ですから、わたくしが一人で考えねばなりません。しかし、いまの一年更新の研究員生活をわたくし自身がやってるわけですから、よほど発想の転換をしないとこの林業的研究が推進できません。
そこのところをこの一年間ずーっと考えてきました。そして、だんだん問題が明確に見えてくるようになりました。問題が見えれば、研究と同じで、答えはそのうちでてくるでしょう。
その考えている可能な答えをいまここで書くわけにはいかないのです。というのは、京大のラボのメンバーもこのブログを読んでいて、かれらはなまじ本人をみているので、書いてあることが十分理解できたとよく勘違いしています。
しかし、灯台もと暗し、近くの人間がいちばんボスの考えていることは分かってないことがしばしばあるのです。
ですから、隠すのでなく、書くと誤解が起きて、研究室経営が難しくなるのです。しかも彼等は無言で理解していると思いこんでますから、それを見いだして訂正していただくのは至難のことです。
ただ、わたくしがその林業的研究の側面をずっと、この間考えていたこと、その点について、なんらかの解決策をわたくしなりに見いだしつつあるということは知ってもらいたいものです。まあかれらには直接関係ないのかもしれませんが。
ただわたくしにとっては、とても大きな問題でしたから、光明見えてきてすこし元気が出てきています。