昨日は、Sさんが夕方おいでになって、懸案の共同研究のための話し合いを色々しました。彼とはかつて彼の先生がお元気だった頃に一緒に共同研究して論文まで一緒に出してますので、気心をよく知っていますので、話しも大変しやすいです。
Sさんが首都圏にいる頃はしようと思ってもなかなかしにくかったのですが、キャンパスはすこし離れているといえ、今ではおなじ大学ですから今後は共同研究はどんどんやれるでしょう。わたくしの研究室のほうでも関係の人達はかなり期待しています。もちろんわたくしも期待してます。
相談が終わったあと、百万遍傍のOで四方山話をしました。若い頃から知っている人が教授としてどんどんいい仕事をされているのを見るのはなかなか楽しいものです。
帰宅したら、かつての旧著を新しくしませんかという、お誘いの手紙が来てました。
いまは日本語の書き物はこのブログ以外にはなかなか難しいのですが、たしかに新刊にするのは興味があります。
また昨日の続きですが、わたくしは博士達の全国ユニオンが作れたらいいのにな、と思うのです。もちろん目的は、博士達の職業的安定性を目指すと同時に、博士達が国民と国への貢献をいかになすべきかも、掲げるべきでしょう。
政治や行政への働きかけを考えたらやはり団体を作るのがいいに違いありません。影響力がまったく違うでしょう。参加者総数はたとえすくなくとも、知的職能人の団体ですから、いわゆるこわもてするはずです。
博士号を持っていたら、誰でも入れる、日本医師会とかの類似のようなものもあり得ます。ただ組織的に膨大すぎて、まとまる意見を集約するのは容易ではないかもしれません。ところで、日本の博士号取得者というのは全国にどれくらいいるのでしょうか。
ですから、常勤的な職についてない博士達が組織するのが現状ではいいのかもしれません。先鋭的になりがちですが、しかし、そのような組織が無いといけないのではないでしょうか。
わたくしも、実をいうと日雇いのポスドクですから、そのような組織が出来れば、会費を払って、参加するくらいの気持ちはあります。ただ、入れて貰えないかな。
もちろん、文系だろうが、理系だろうが、差をつけないで組織作りをせねばならないでしょう。
これを書いたあとで、インターネットで調べると、文科省の政策研の下村氏がかなりきちんと基礎データを出して、論じていることを知りました
博士号取得者は約10万人だそうです。そのうち企業にいるのはわずかに1万人です。大学が7万人なのですね。ですから、これで、博士達がいかに今後も苦境に陥るかは、明々白々にわたくしには思えます。博士達を必須としている組織の大元は博士を生みだす大学なら、博士達の就職が困難になるのは、明らかです。また企業もいくらいろいろ言っても、博士達を本気で採用する気がほとんど無いことも統計上明らかです。かれらにえらそうなことを決して言わせてはいけません。
やはり、行政的な施策がどうしても必要に思えます。
下村さんは今後の課題について、以下のように述べています。
そのためには、日本において、博士号取得者のキャリアパスの多様化を促進するための方策の検討が重要な課題となっている。特に、米国と比べて、博士号取得者の就職・就業機会が少ない民間企業でいかに博士号取得者の雇用拡大を図るかについての方策を早急に検討することが重要であると考えられる。
わたくしは、二日前に論じたように、いろいろ現行では障害があるとはいえ、学校や公的機関での博士達の雇用を促進することが真に日本のためになると思います。