今日は一日、忙しい日となりそうなので、朝のうちに書いておきます。
童話には残酷なはなしがたくさんありますが、このサッカーの夢と題されたこどもにも分かる童話の前段は無残なものとなりました。
約100分近いゲームのうち、90分以上は夢を見させてもらったのだから、いいとせねばなどと、言えるのはわたくしのような年寄りには可能でも、若い人や子供達には無理でしょう。
ひとりひとりが、自分のお話をつくれる昨日の夜の一戦でした。それぞれのストリーは、同じ試合をみながらも少しずつ、違っていたし、違っているでしょう。最後の最後にこだわるはなしをつくる人もいれば、最初からのはなしにこだわる人もいるでしょう。しかし、あの川口がちょっと前に出すぎた瞬間までは、みな似たような夢を持っていたはずです。勝利の夢を。
オーストラリアの側にたてば、なんという素晴らしいお話しだったのでしょうか。
かちかち山の勧善懲悪のはなしも、狸が読めばつらいはなしになるように、勝利と敗北のものがたりは、かならず表と裏があるはずの物語ですから。
しかし、この「童話」はまだ前段が終わったばかりです。中段と後段がまだ残っています。もう読みたくないと言う人達も沢山いるでしょうが、戦士達はこれからの中段と後段をどうたたかうかで、かれらのこんごの一生が変わってくるでしょう。そして、童話の結末もひどく異なったものになるはずです。
2006年ワールドカップ日本チームの闘いぶりが後世に語り継がれる物語になるかどうかは、この中段と後段のお話しの続きに関わってきました。
日本人のロマンとして、前段が川口選手の玉砕で終わったのは、それなりに「死をともなう華」のある展開でした。ブラジル出身のジーコ監督と三都主が後段までで、この「童話」で結局どのような役割を持つようになるのか、わたくしには予測もできず、分かりません。これからの、わたくしの興味の中心となりました。