今朝はあんまり暑いので、比叡山の駅まででそれ以上歩くのは割愛してしまいました。三条から研究室までは30分以上かかるので、軟弱にバスに乗って、経済学のSさんと雑談しながら百万遍までたどり着きました。
子供の頃に漢文に出会って最初に覚えたのが、今日の表題「人間万事塞翁が馬」でした。時たま間違って記憶して、人生万事塞翁が馬とか言ってしまうことがありましたが、でも意味は同じようなものでしょう。悪いことのあとには、いいことが、いいことの後には悪いことがやってくる、まったくうまいたとえです。この言葉が、昨日のクロアチア戦のあとでわたくしの頭をかすめました。そうでも思わないと、なんか出口のない試合なのでした。
ともあれ、昨夜は見ていて疲れました。重苦しい試合展開で、前半見ているだけでどっと疲れました。後半は、危ないところも多々あり、さらに一段と疲れました。
やはりまたまた川口GKが見せ場を作りました。神業的にPKの玉をはじきました。
そのあとで、ゴール際にやってきた玉にぼんやりとして触り損ねて、コーナーキックとなるような、ちょっと滑稽な、でも一歩間違えると1点がはいってしまう失敗がありましたが、でもそれも彼の人間性の発露として、おおかたの日本人観戦者の共感をかちえたことでしょう。わたくしも、中田ヒデの試合後の重苦しい発言の後で、川口の浪花節的発言を聞いてホッとしました。
またまた勝てる試合を逃した。この中田の発言、あまりにも正しいので、そういうときに人間万事塞翁が馬とかいって、とりあえず次戦に気持を向ける以外しかたがないでしょうね。この数日は。
でも、わたくしは、日本はよくやったと思います。
ドイツはクロアチアと色々な意味で非常に近いので、完全に敵地でやったようなものです。それにヨーロッパでもこのチームは相当強い。このチームと引き分けたのだから、日本も間違いなく強い。勝てなかったのは、しかたない。時の運です。選手や監督はそんなこと言ってられないでしょうが。一国民としては、選手達よ、よくやったよ、と言ってやりたいものです。
この試合を手に汗して歯がみしてみている、少年達のなかに将来のヒーローとなることを夢見たのもいたでしょうし、男の子を持つ母親、もしくは将来子供を持とうとする女性が。そのようなヒーローを産もう育てようと、決意するかもしれないじゃないですか。
古い言葉ですみませんが、救国の少年や救国の母親はこういう試合から生まれてくるのでしょう。だから人間万事塞翁が馬です。