比良山麓のほうに来ていますが、キュウリ、トマト、ナスなどを中心に沢山の収穫がありました。トマトはまだ少しだけですが。妻がいないので、雑草取りとあわせて大変でした。今日はこれから、坂本のほうにもどり、名古屋に行きます。学士院賞を受賞されたOさんのお祝いの会に出席するためです。
このあいだの韓国旅行で始めて韓国の空気を吸うことができて、色んなことを知りました。特に韓国の知識人の本音に近い意見を聞く機会もありました。もちろんごく少数の人達の意見なので、偏りがあることは当然ですが、でも日本にいてはそういう機会はありませんから、貴重な体験でした。
世界において残された分断国家、もちろん韓国と北朝鮮のことです。韓国の庶民レベルでは多くのひとびとが、北朝鮮の状況をある程度理解はしても、南北融合、統一が希望であることは当然理解できることです。
しかし、ドイツの例を知る韓国の知識人の多くは、いまそのような方向に行ったら韓国自体にとって大変な重荷になるし、場合によっては経済的に致命的なことになるかもしれない。だから現政権は危険なことをやっていると考える人達も多いのです。
しかしながら、彼等にとって看過できないのは中国の北朝鮮への進出です。この数年、中国は北朝鮮に急速に経済産業的に進出しています。中国は北朝鮮全土を狙っているのではないか、この不安が黒雲のように多くの韓国の人達の心に拡がっています。事実、一部の人達は、北朝鮮が中国の植民地になってしまうのではないかといいだしてます。
そこで唐突ですが、高句麗の歴史があります。高句麗は朝鮮半島北部を中心に繁栄した古代国家ですが、唐・新羅の連合軍によって絶滅されました。中国外務省がこの高句麗を中国の古代地方政権であるとの解釈のホームページにだして、このことが多くの韓国人を怒らせたことは記憶に新しいのです。この絶滅した高句麗の関係者たちはあちこちに流浪して、高麗にもいったし、かなり大勢が日本に来たとのことです。
この古代帝国の高句麗が地理的にどこにあったかを見れば韓国のひとびとの不安は理解できます。新羅、百済、加羅などが半島の南にあり、高句麗は平壌やを満州を首都にしていたからでした。
どこでどう歴史の新解釈がでるかどうかこの世の中わかりません。北朝鮮が中国の一地方になるなどということがまったくあり得ないとも言えないのです。韓国の人々にとっての北政権への逡巡もこのような中国の影を考えているようなのです。同一語を使うからと安心しきれないのです。
なかなかつらく、苦しい選択が迫られているようです。
わたくしも、北朝鮮がそのような中国と近い関係をますます強めていくことの中に1500年以上も前の歴史が影響を及ぼすとは思っていませんでした。もちろん元の時代などは、半島全体がその支配下にあったこともあるのですから、中国の影響は日本より桁違いにあるようです。
月曜の安保理での議決がどうなるのか、日本は意気込んでる立場ですが、韓国の立場は不透明で、かなり現政権は追い込まれているようにみえます。
しかし、まだまだとんでもないことが起きる可能性が北朝鮮をめぐってあるような気がします。