連日暑い日がつづいています。気になるのは水やりですが、きょうは妻が用事があっていくので安心です。
わたくし、20代前半の頃は将来自分の頭髪の喪失について心配するような事態がくるとは夢にも思ってませんでした。ところが29才から31才の頃に、ストレスのせいかそれとも単なる生理現象なのかわかりませんが、ものすごく毛が抜けました。風呂に入って頭を洗うとそのたびに、抜け毛で手のひらが黒く見える(ちょっと大げさですが)ようなことが30代半ばまで、続きました。恐怖したものです。父親は若い頃は山嵐とか言われたくらい髪が多かったし、その当時でもまだ立派に残っていましたので安心してましたが、よくよく考えると、母方のおじの中に前頭部には髪の毛はほとんどないひとがいました。日本男子で胸毛があると、だいたい前頭部がはげるというのは通説ですが、わたくしには胸毛がありません。ただ、おじの一人を考えると、遺伝的な安心感はまったく持てないことがわかりました。わたくしが結婚したのもこの頃ですが、写真を見ると髪の毛が急速に減りつつあるときだったのがあきらかです。
わたくしが30代半ばの頃かもうちょっと若かったか、京都のどこかたぶん川端二条あたりの飲み屋で数人の理学部生物系の先生と、談たまたま、髪の毛の話しになったら、いやおどろきました。髪黒々のXさんはなんと大学の学部生のころから、育毛剤「髪のもとのなんとかスペシャル」をずっと愛用してるという話しではありませんか。もうひとりのZさんの場合は、かなり後退してたのですが、それでも聞くとただごとは思えない聞くも涙の努力を傾けてるとのことでした。しかも10代後半からです。そうか、聞いてみないとこういうことは、わからないものだな、とつくづく思ったものでした。
それいらい、わたくしも「髪のもと」なるものを使ったものでした。ちょっと妙な匂いがあるのでしたが、たしかに抜け毛の量が格段に減ったものです。わたくしの場合は、抜け毛の量が減ればなんとか、安心感を持てた気がします。見た目におかしくないくらい(自分の後頭部はみえませんが)に保たれてきたものでした。この育毛剤は匂いが鼻について、ある時期からやめました。正確にはいつ頃か憶えていませんが、40代半ばと思われます。
その後は、シャンプーの穏やかなものに切り替えています。どこかの理髪で勧められたのです。
いまのシャンプーは二年ほど前に店を閉めてしまったHさんから買ったものですが、いっぺんに大量に買ったのでまだ使っています。Hさんは理髪の終わった後、かならず後頭部の薄くなったところをにやにや笑いながら鏡で見せてくれてその進行ぶりを知っていたのですが、いまの理髪店はそんなことをしてくれませんので、妻に聞く以外わかりません。自分の手で触って、つるつるはしてないことを確認することがたまにあります。
考えてみると、あの川端二条の一夜の愉快な秘密の打ち明け話を聞かなかったら、わたくしもいまごろはほとんど頭髪がなかったかもしれません。
しかし、さいきん禿頭のひとはホントにすくないですね。やはり頭につける養毛剤とかいろいろ高価ではあるが即効性のある育毛的なもの(進化したカツラみたいなもの)のおかげなのでしょうか。なにが起きてるのか知りませんが、不思議です。
子供の頃にツルツルにはげている人には善人が多い、白髪のひとには悪人が多いと、誰かに聞かされて(たぶんはげた人から)、そうだそうだと思い、そんな風に長年思ってきました。なんの根拠もないのですが、血液型よりはましな見立てかもしれません。
自民党の総裁候補をそのような観点でみても、このあいだまで中途の候補はいたかもしれませんが、いまはどうもまったく面白くないです。