人材の発掘とサポート

きょうもまたまた暑い日です。
金曜日でもあり、仕事のほうも一区切りできそうで、机の周辺の散らかりを片付けたり、9月の北海道の旅行スケジュールを決めたりしました。メンバーとの議論のほうもひとくぎり、かれらもわたくしも頭の中が整理されたはずです。
お盆明けに、二つ東京、京都で講演して、その後研究室恒例の仕事の報告会、その次の週まだ8月のうちに沖縄のほうにも行く予定です。帰ってから、二度北海道に行くことになりそうです。長いこと北海道に行く機会がなかったのですが、なぜか集中して同じ月に2回となりました。

再生研の山中さんが素晴らしい研究発表をされたという報道が今日ありました。細胞の全能性というトータルな性質を体細胞を人工的に性質を改変して生みだすというのですから、この分野では間違いのない真の快挙でしょう。ホームランという表現が新聞にありました。人工的に制御すべき、遺伝子も五つほどはっきりしたものをつかんでますから見事なものです。ネズミの系ですが、じきヒトの細胞でも体細胞が全能性を人工的に有することが、可能となると予想されています。すごいものです。研究室でもひとしきりみなさん話題にしていました。
山中さんは奈良先端大学の教授でおられましたが、京大にスカウトされてきてわずかな期間で、しかも共同研究者の高橋さん、お一人という、米国なら15人くらい著者がいてもおかしくないような迫力ある論文を生みだしたわけでご同慶のいたりです。こういうスカッとした研究のしっぷりは若い人にも励みがでるでしょう。なんでも大人数大がかりにやればいいというのではないということをわかってもらうためにも。
奈良先端大学院としても彼を引き留めたかったのでしょうが、現状の独立法人ではなかなか待遇面での特別扱いも出来ないので、既存の権威ある大学に横のほうからスカウトされやすいのですね。山中さんのケースでは、医学部、病院のあるところでやりたいのは当然ではあるでしょうが。
ただ、折角若いいい人をスカウトしても、いい仕事したら、いまの読売ジャイアンツのような組織に持って行かれてしまうことを、野心的な大学や研究所の経営者はよく考えておく必要がありそうです。
わたくしは、時折かげで(とはいってもここで書いたら公開してしまうのですが)、最近の独立法人大学経営者の多くは平家の落人のように怯えているばかりだ、と言ってます。
予算の削減とか役所の締め付けなど、経営上難しいことが沢山あることは確かですが、やはり前向きに山中さんがなし遂げたような研究成果を社会に向けて発信すれば、研究に対する社会の総体のイメージも非常に上がるでしょう。怯えるばかりでは、どうにもならないとおもっています。
やはり、研究人材の発掘とサポートです。すごい研究者が出てきたら、なんとか引き留める算段をこうじることです。

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