首相候補の安倍官房長官が美しい国というスローガンを使って、政治目標を掲げています。そういうタイトルの本も出しています。
実はわたくしもずいぶん前に日経から出版した本「いのち」のサイエンス 生命科学はこんなに面白い、でそういう言葉をつかっています。そこのところを抜粋すると、以下のようなものです。
生物学の特に博物学的な側面は、学校外での活動つまり家庭や地域社会での努力が非常に大切と思ってきました。生物好きの子供はたいてい野外での活動から生物の面白さを学んだはずです。家族と地域の影響はきわめて大きいし、それがほとんどすべてといっても言い過ぎでないような気がします。魚や虫が住める清流の回復、コンクリートで固めた自然を元の豊かな生物をはぐくむ自然に戻そうとする努力が日本の各地で活発になってきたことは素晴らしいことです。ひ弱な昆虫採集少年でなく、腕白少年少女が思いきり生物と共に遊べる自然の山河が欲しいと切実に思います。「美しい国への回帰」、これこそが21世紀の日本がもっとも努力して取り組むべきことです。わたくしの住んでいる琵琶湖の西岸でも里山物語で著名な今森光彦さんなどの活動などもあり、豊かな生物の住む人間のつくる自然の価値がおおいに認められだしてきてます。豊かな自然環境の地域から優れたバイオ産業、ベンチャーが生まれてくるというコンセンサスが生まれたらなんと素晴らしいことでしょう。
美しい国、ケチをつけにくいので、大メディアではあまり評判がよくないようですが、ぜひ真面目に受け止めて欲しいですね。日本は本当に美しい国だったとだれでも外国からの訪問者は言っていたようです。ある時期までは。
もちろん今だって美しい場所は沢山ありますが。しかし、戦後頑張ってきたところはそういうものから遠かったのですね。
いよいよ9月です、今年は論文がもう7つか8つでたはずなのですが、これからが正念場です。4つあらたに投稿する論文が、一列に並んでいます。
どれもわたくしとしては、思い入れが強いものです。現場のほうもすくなくとも二つは相当の思い入れでやってくれてますが、残りの二つはそこまでいってるかどうか。
いずれにせよ、何とかして発表して世の中に姿を現せないといけません。