きのうのイエーメン戦、勝ちましたけれども見栄も外聞もない試合でした。恥も外聞もないが、普通の表現でしょうが、このばあいは見栄も外聞もないと、言いたくなります。
前半、点がはいらず、まったく精彩もなければ頭脳的なプレーもなく、意外性皆無の、これではオッシムサッカーの看板が消えて無くなるよう、試合でした。
後半になると、だんだん、見栄も無くなってきて、日本人コーチの怒鳴り声が聞こえ出しました。このコーチの声は凄く大きい。よく聞こえます。外聞などあるわけ無いのでしょう、何しろ刻々と試合終了が近づいてきて、このままでは引き分けです。世界百何番かの弱小チームですから、高度とかグランドとかやはり言い訳は迫力ないし、言ってられないでしょう。
そこで、このコーチの怒鳴り声は、選手の名前が連呼されるようになりました。
ひとりずつ、選手の名前がどなられ、あっちいけこっちいけと指示されてます。
これじゃ高校サッカーと同じじゃないか。高校でもそこまでやりませんか。
やたらに遠藤という名前が聞こえました。言われやすいのかな、そういう顔つきなのでしょう。
選手の名前の連呼など、憚ってられない、それで見栄など無い、こういうことです。誇り高きあのジャパンブルーの戦士達ではこの高校生あつかいは耐えられないのでは無かったのでしょうか。
なんと、凄いことにこの選手名を連呼する大声のスタイルでやっていたら、ロスタイムに一点入ってしまいました。良かったです。しかし、なるほどこれほど赤裸々にチームの事情が見えてきたゲームはいままでなかったでした。日本代表とはいっても、こういうレベルかな、それともオッシム監督、こういうのが好きなのかな、とまで思ってしまいました。
ほんとのところ、奥の底でわたくしとそっくりのキャラクターなのかもしれません。
わたくしも見栄も外聞もなくやってきましたし、学生の名前を連呼してああしなさい、こうしなさいと怒鳴ってやってきましたし。監督兼コーチ兼小使いでしたが。でも、つまらない比較はやめておきましょう。とりあえず、赤裸々な試合でした。
驚愕のニュースがありました。
昨日から今朝にかけて報道された、大阪大学の生命機能学研究科の捏造論文の関係者で亡くなられたKさんはよく知っている人でした。
先々月に同じ学会で一緒でした。お元気そうで、そんな自死などするとはまったく思えません。まったく事情がわからないのですが、すこし情報が入ってきました。でもさっき入ったばかりで、本当かどうか分かりませんので、まだここで明らかにすることはできません。
はっきりしていることは、Kさんが自死されたのは9月1日のようですが、その2週間前にあったひとたちも彼は皆研究に前向きだったし、自死するような理由はまったくないことです。間接的に聞いたのですが、前日にもそんな気配は全くなかったとのことでした。
テレビや新聞ではまだ報道されていませんが、著者のひとりであるKさんが内部告発をしたのだらしいです。論文は撤回されています。
大学当局は自死したことを外部にもらさないようにとの指示を関係者に出したのだそうです。本当でしょうか、にわかには信じたくありません。
もしも、このことが本当なら、この大学の隠蔽体質は本当に根深いとおもいます。ただ、そのような隠蔽体質は他の大学、わたくしのいる京都大学にも根強くあることは事実ですから、大阪大学だけを責める気持はもちろんありません。
いずれにせよ、前途有為な若い研究者が真理を明らかにしようとして、死んだのです。関係の人達はみなわたくしも長年つきあってきた人たちばかりです。
いったいどうして、このような悲しい出来事が起きたのでしょうか。事情が闇から闇になってしまう可能性があるようです。Kさんが死んではもう既にそうなってきたのかもしれません。
真実をはっきりする以外に亡くなったKさんを慰めることはできないと思います。
ご家族のお悲しみはいかなるばかりか。
彼の自死を止めるというか、起こらないようにすることはできなかったのでしょうか。
あまりにもつらい出来事のようにおもえます。