学術会議、RNA干渉

大隅典子さんが書いてるとおり、学術会議の建物の設備というか、建物運用はものすごくアナログです。その一方で、メールはたくさん発送されるので、見る必要があるメールと無視していいメールの区別をつけるだけでも、わたくしレベルの会員でも時間がとられます。高市大臣の演説は、そつがないなあ、と感心したことは事実です。
安倍内閣では、2025年までのイノベーションプランを来年の2月までに策定したいとか。ちょっと待ってくださいよ、と言いたくなります。でも、どういうものができるのか、取りあえず見てみたいという気持もあります。

昨日発表された、ノーベル医学生理学賞はRNA干渉の発見に贈られました。もらったお二人について、面識もなく、発表も聞いたことはないのですが、遺伝子発現を抑制するために、偉大な技術となったことは間違いありません。
東大医科研の中村義一さんが新聞でコメントしてるように、最初は眉唾とおもわれていたのに、発見後わずか8年で、非常に広がりのある技術となり、DNAを増幅させる技術PCRと比肩しうるし、また病気の治療にも極めて有望な技術となりつつあるとか。
わたくしの研究室でも、ヒトの細胞を使うような実験はすべてこのRNA干渉の技術の恩恵をうけておいます。
わたくしもわずか8年前の発表とは驚きました。
ですから、20年も先の、2025年の頃へのイノベーション等というものは、自然科学的にはというか生命科学技術的には、ほとんど無理というの、思い上がりというかが、わたくしなどの正直な感じですが、でもまあいいでしょう。やればやったで、なんらかの意義はあるでしょうから。
名古屋大の水野猛さんが、このRNA干渉の先駆的なお仕事をしていたことが新聞でも報道されていました。たしか水野さんが米国におられる井上正順さんと一緒にやったお仕事で、大腸菌の浸透圧制御に関わる遺伝子発現が小さなRNAによって制御されるというものでしたか。当時、話題になったものでした。20年以上も前の研究でした。たしか、PNASに発表されていたのでした。線虫でのRNA干渉を見た人達は、この大腸菌での仕事にどこまで触発されたのか、本当のところはどうなのでしょうか。
わたくしたちも実は線虫での発見は知ってましたが、人ごとみたいに思っていて、ヒト細胞で、できると聞いて、直ちにいま米国にいるGG君が始めたものです。
ところで、なんでこのようなRNA干渉のような系を生物はもっているのか、非常に面白いのですが、そんなに分かっているわけではありません。RNA干渉の生理的意義はじつは分裂酵母の研究が非常に貢献しているのです。

けさは、ホテルから学術会議まで歩きました。青山通りから、赤坂署の脇を通って、山脇学園あたりまでは、前もった見た地図の通りに行けたのですが、後は分からなくなって、それでも赤坂小学校のまえに出ましたので、約30分でたどり着きました。
昼には、共同研究を進めているSさんにあって、いろいろ話しをしました。
やはり、会って話しをしないと、肝心のことは伝わりにくいことがおおい。

阪大のT先生にいったいどういうふうに時間をつくってブログを書いてるのかと聞かれてしまい、ついついもうだんだん仕事になってます、と本音に近いものが出てしまいました。

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