夕方から妻は友人のTさんと京都でのコンサートに出かけました。
歌手のかたはシャンソンを歌いますが、学校時代の同級生とか。なかなかのもので、追っかけの人たちもいるとか。Tさん、最近シャンソンを習ってるとか。テレビには出なくても、シャンソンはそれなりに人気があることを認識します。
そういえば、妻の母(つまり義母ですが)の同級生にも有名な流行歌手がいて、一世を風靡した歌をわたくしたちの結婚披露宴で歌ってくれました。マイクなしでの歌で、さすがと風靡するものはちがうと、感動しました。わたくしの人生でいちばん華やかな一瞬でした。披露宴では、妻の妹が友達とバンドを組んでずっと音楽を生で流してくれました。今から、考えると、かなり当時としては気張っていたのでしたか。
ところで昨日の朝日新聞の飲酒運転の記事をよむと、わたくしの数日前のブログにかいたことは、はっきり誤りを含むことが分かりました。
(アルコールの)分解力(酒の)強弱と無関係と見出しにもありました。
つまり、日本人の酒に弱い人は、アルコールをアセトアルデヒドにするところは正常なのですが、アセトアルデヒドを分解して酢酸と水にする脱水素酵素に欠損があるということなので、アルコール血中濃度をはかるテストでは、酒に弱い人も普通と同じように低下してるということなのですね。
酩酊度とアルコール血中濃度は直接には関係しないのですね。それで、この記事でも、飲んだ翌日でもアルコール血中濃度で引っかかる可能性を記事の主眼にしていました。そうでしょう、飲んだ翌日も乗れないとなったら、運送業界にとっては大変です。引っかかったら、懲戒解雇というような職業の人は、もう大丈夫とおもっても駄目かもしれません。
菱田繁兵庫医大名誉教授はアルコールの分解能力自体は、酒の強さ、アルコール脱水素酵素、アセトアルデヒド脱水素酵素の型、人種などで大きな違いはないと、言っておられるようです。これらと、無関係な個人差がおおきい、そしてその個人差の原因は複雑で未解明とおっしゃってるそうです。となると、血中アルコール濃度で検査が行われる以上、まず自分がこの個人差のどのあたりにあるのか、知らないといけないようです。
酒気帯び運転は血液1ミリリットルあたり0.3 ミリグラムなのだそうです。
日本酒約一合を飲んで、30分後には0.5ミリグラムになるそうですが、アルコール分解も体内で進みますので、だいたい酒1合でぴたりとやめれば、4時間後くらいには引っかからないのかもしれません。しかし、個人差があって、分解能力に25%程度のぶれがあるようです。
ただ、これは酒の強弱とは無関係ということですから、かなりの酩酊感がのこっていても、血中アルコール濃度は完全に下がってることもあるのでしょう。アセトアルデヒドを血中で測ったらどうなのでしょうか。そのあたりは、記事には出ていませんでした。
ともあれ、考えるとそうとうにややこしい問題があることに気がつきました。
ともあれ、自分の個人差と、アルコール血中濃度で免職になるのかどうかがきまるのですから、深酒の翌日の勤務先への運転は気をつけないといけない時代になりました。
記事によると、強い人ほど、酒が残っているのに、大丈夫と考え、飲酒運転事故をおこすそうですから、わたくしの予測は誤っていているようで、酒が強い人が危ないらしいです。
もうちょっと話しを続けると、アセトアルデヒドを分解する酵素の遺伝子は人間では2種類あって、ALDH1とALDH2と呼ぶようです。このうち日本人の多く40%がALDH2遺伝子機能を欠損しているのだそうです。アセトアルデヒドはいわゆる悪酔い物質ですが、遺伝子は二つあるというのはわたくしは知りませんでした。2型が欠損しても1型があればいいのではないようですから、主なアルデヒド解毒作用はこの2型がつかさどっているのでしょう。
いわゆる顔赤グループの症状はアルデヒド蓄積効果らしいです。それでは、アルコール自体はどのような生理効果を起こしているのか、よく知りません。たぶん、脳神経系に及ぼす効果が問題になるはずです。むかし江橋節郎先生とのお話の中で、泥酔しているときの血中アルコール濃度は致死量の80%だと聞いたことがあります。致死量近くまでのまないと終わらないような飲酒者はあんがい多いのかもしれません。わたくしも20代30代の頃は、おりおりにそんな飲み方をしたことがあります。
いずれにせよ、血中アルコール濃度が高い状態で運転をすると、職を失う可能性があるのですから、24時間経っても濃度が高く残っている深酔い状態があることは、だれもが知ってる必要があるでしょう。しかし、それをどうして調べるかです。