国際政治では、北朝鮮問題が風雲急です。特に日本は米国と並んで、北朝鮮の(仮想)敵国ですから、この国が核爆弾を保有して自前のミサイルでとばせるような事態になったら、その脅威というのは非常に現実的なものになります。
麻生外務大臣が日本核の問題を論じるのは言論の自由なのでなんら障碍ははないとかいったそうですが、わたくしもこの問題について書いてみたくなりました。
これまで北朝鮮がやって来たことのなかで有名なのは、日本人の飛行機ハイジャック犯を長年にわたってかくまっていること、大韓航空機を航行中爆破したこと、ラングーンでも韓国の政治家にテロをしました。それに、麻薬、覚醒剤製造、ニセ札、などなど枚挙にありません。そのうえ日本人の多くを拉致しました。この拉致に北朝鮮という国の体制の本質があることはみなさんご承知のとおりでです。
このような国が理性に対して、理性で対応するとはまったく思わないほうがいいことは明らかです。ミサイルで飛ばせる核爆弾を手にしたら、本当に飛ばしてくると、考えて対応するのが当たり前のことです。つまり北朝鮮という国家存続の論理のためには、いかなることでもやってくるでしょう。いまの体制が続くと仮定するのなら。
その時、日本はどうするのでしょう。通常兵器で対応するのでしょうか。正当防衛ということで、自衛隊機が北朝鮮を爆撃するのでしょうか。
それとも、米国にお願いして、対抗上米国に核爆弾を北朝鮮におとすように要請するのでしょうか。それとも、米国が自分で決めて、核兵器をつかう代金を払うだけなのでしょうか。日本が核兵器で攻められているのに。
現在の非核三原則などはどこかに吹き飛んだような状態がくるかもしれないと、考えるのは普通のおとなならだれでも考えるでしょう。子供でも考えることです。
もちろん、それは非常に困った事態で日本としては絶対そんなことは起きて欲しくないのは当たり前です。
しかし、核で攻撃されるかもしれない事態がここ、2,3年でありうるとしたら、今がいちばん大切な時期であることは間違いありません。
核攻撃の可能性がミニマムに減るような事態は、北朝鮮が理性に戻って、六者協議に戻ることですが、たとえ戻っても、なにか劇的な変化が無い限り、いまの核兵器開発を続けるだけでしょう。
劇的な変化は、米国の変化しかないことは間違いないようです。米国が二国間協議をするといえばとりあえずは、北朝鮮は機嫌を直してくるでしょう。たとええいえば、ちんぴらが大親分と対等で話し合うような状況になるのでしょうから。
日本人の多くは、金正日体制がつぶれて欲しいと願っているのでしょうが、それがどうも現実味に乏しいらしいのです。代わりの体制は、やはり親中国で、中国の路線を忠実に繰り返すようなものしかないのでしょうが、それは中国自体がいまや手をつっこんで大やけどをするのを警戒してる段階でしょう。
そうなると、
米国との二者協議、金体制の温存
金体制の崩壊、中国が面倒を見られるプロ中国の新体制を作る
協議も何もできないで、ずるずると中、韓、露が金体制を存続させる、実用的核兵器の完成
このような三つのシナリオが考えられるのではないでしょうか。
米国は、もちろん金体制の崩壊後に、米国が手を出せる体制を望ましいと思うでしょうから、できたら、2番目に近いかたちで進展していけばと、願っているのかもしれません。
日本はどうすればいいのでしょう。今の内閣としては影響力の及ぶ範囲はやはり2番目が一番ありそうなので、やはり2番目のバリエーションで日本に有利なかたちを望でしょう。
でも、3番目になる可能性は相当あるような気がします。中国が2番目を非常に恐れているように見えるからです。彼等は、1番目を願っているのではないでしょうか。