講演も無事というか終わりました。手ごたえというのは、当人には分かるようで分からないのですが、これでいいのではないかという感じでした。導入部分はあれでいいと思うのですが、最近の結果のはなしと、仮説的な部分のはなしは内容的にも相当難しいところが含まれているので、ついてこれない聴衆も多かったのではないかと思いました。本当のところはわかりませんが。しかし、いっぽうでわたくしの話はいつも難解といわれ続けてきたので、そのわりには良かったのではないかと思います。
講演のあとでいちばん前にいたMOさんがものすごく面白かったといってくれたのは、お世辞ではなかったようでした。一部にそういう人がいてくれればもって瞑すべき、とはいまから4分の一世紀前から自ら言い聞かせていたのでした。
ところで、きょうも寒い日でした。こちらにいる人に聞くとやはり零下何度かにはなってるでしょうとのことでした。
このあいだまでは気温が20度を超えることがあったとか。ニュースにもありました。
今朝は、いちにちわたくしにとって強行なので腹ごしらえもちゃんとして、カロリーのことは取りあえず忘れて、というわけで朝食もたっぷり食べました。午前4人、午後4人、ランチタイムには院生ポスドクとで講演の4時半までびっしりスケジュールがありました。
正直、ひじょうに意義のある話しが多く聞けて、わたくしにとって、短期間ですがエポックメーキングの意味の深いニューヨーク訪問でした。
訪問の機会を作ってくれたJMさんに感謝しないといけません。詳しく書けませんが、この機会も、奈良の法隆寺のおかげであることが、夜の一緒での会食での会話の過程で分かりました。そうだったのかと、感じ入りました。
いにしえの人達に深く感謝です。法隆寺は当時の大和の人達が必死になって作ったのでしょう。わたくしは奈良時代の人達が作った当時の世界最高の大学だったとおもっています。
それが、あのエレガントさで今日まで連綿と残ってきている。それが多くの人達の心をうつ、そういう循環で国や民族が存続していく。
愛国とか愛郷という言葉がありますが、いにしえの人達の誇りと矜恃を愛する行為が、そういうものなのだと、わたくしは思ってます。
そうであればこそ、何千年たってもそういうものは、人種や国籍を超えて分かるのでしょう。万国共通の愛国心でなければすぐ偏狭なものになってしまうでしょう。