納得の議論、大学院生の捏造データへの対応

昨日のつづきで沖縄のS君のデータを吟味していました。
なんとか、80株分突然変異体ののデータをすべて見終えて、疲れると同時に、ホッとしました。
毎月沖縄に行ってるので、それなりに彼のデータはフォローしてますが、このように一気にデータを見て、いろいろ検討して、そのうえでこれからの方針をたてるのが大切です。
わたくしも、かれも十分に納得できましたので、おたがい満足できた二日間でした。
昨日の夜は、京都の院生も二人まじえて食事にいきまして、いろいろおしゃべりもしました。人数も少なかったので、平素と違う感じで話しが出来ました。
今朝血糖値を測ったら、あれっと、おもう値でした。昨日の食事をおもいおこすと、ひとつの面白い仮説が出てきました。しばらく、この仮説を検討してみましょう。

S 君のあとに京都のS社のかたたちが来訪してしばらくお話しを聞かせてもらいました。
ひとつ参考になる情報がありました。

あしたは、E君の結婚式なので、彼を廊下でつかまえて披露宴の予定の様子を聞きました。お祝いのスピーチがあるので、情報収集の必要性があります。

このあいだ、大阪のある大学で学生の捏造データについて記者会見があり研究室の教授のかたが、責任はすべてわたくしにありますと、いうコメントと申し訳なさそうに頭を下げている写真を見ました。
責任が当該教授にあるのはしかたがないとしても、特に世間に対して頭を下げる必要はほとんど無いのだけれども、と思いました。この捏造データを発見したスタッフは実力があるし立派だと思うのですが、捏造を見逃したからといって、記者会見までして世間に謝罪する必要はないとおもいました。
論文や学会で公表していたら、その関係のかたがたに知らせてすみませんでしたというのは、必要なのですが、多くの場合は黙っているケースも多いのです。その理由はこの若者の将来を考えているのでして、いろいろバランスを考えて、世間一般には黙ってるケースがこれまでは多かったのでした。この学生がなにか学会の賞をもらったりしていたので、それも原因で公表されたのかもしれません。学会発表されてるようですから、本人の特定は容易です。
わたくしは、このようなケースでは、なにもかも赤裸々に公表するのがいいのかどうか、疑問だと思っています。多くの論文はほんとのところ、少ないと数人、多くてもたかだか百人くらいしか読まないものです。ですから、著名な研究や、社会的インパクトのあったような場合は黙ってるわけにはいきませんが、そういうごくごく少数の人しかか読まない場合、口コミで拡げて、必要な範囲できちんと情報が行き渡ったら、そこで止める処理もありうると思うのです。
このようなやり方に、強い批判がありうるのは承知していますが、しかし一方で、大学院生レベルでの捏造にどのように対応するかは、本人の将来も考えたときに、関係者は非常に難しい判断に迫られたとおもうのです。
あくまでもケースバイケースで判断するべきでしょうが、記者会見までして教授や学部長が世間に謝罪するような姿は必要ないとわたくしは思いました。
しかし、よくある一罰百戒というのでしょうか、捏造すると大問題になりますよ、世間的な処罰を受けますよ、という警告になるのだから大いに意義があるという意見も多くあるのでしょう。
わたくしは平素そのような意見にはくみしないのですが、この場合は事情がくわしくはわからないので、判断は保留したくおもいます。ただ、かなり確信的にデータを捏造していたことは確かでして、この学生さんが発覚後にどのような「教育的なあつかい」を大学側から受けたのかわたくしにはそちらの方が気になりました。

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