教育再生会議の試案、相当なダメージ

新聞で見た、教育再生会議の試案のなかにはなかなか興味をそそられるものがありそうです。ただ、うろ覚えなので記憶間違いかもしれないのですが。
ひとつに、学部4年生が同じ大学のおなじ大学院の研究科に進学するのを極力阻止するというもので、これは野依座長のお考えらしいのですがわたくしもまったく同感でして、日本中でそうなれば画期的な変化が起きるかもしれません。完全にゼロは難しいということで、20%だけ認めるとかいう試案のようです。ゼロにすると猛反対がでて、つぶれると見ているのかもしれません。
しかし、一方で旧七帝大を中心にありとあらゆる逃げ道を作って自大学卒業生の確保に向かう動きも出るような気がします。
いまの日本の大学生は人生観がきわめて保守的ですから、東大に折角はいったのだからずっといたい。もしも、いけないのなら、それは困る、という反応しか大半はしないでしょう。それくらい、保守的になっています。
強制的な方法で、いろいろ体験を積んでもらうのが、これからの日本にとって好ましいでしょう。日本がなんでもお手本にしたがる米国ではずっと前から、自大学の学部卒業生が自大学の大学院に行くのは大変珍しいことでしたから、米国的発想のひとには当たり前のことでしょうが。
わたくしは、首都圏を中心に学部を首都圏ですましたら、首都圏以外のところで大学院を過ごすのが日本にとってとてもいいことだと思うのです。逆も、大変いいことだと思います。そういう程度の意見です。
大学院を外国で過ごす日本人はほとんどいなくなりました。お隣の韓国や中国との一番の違いです。
日本の、この均一志向の強さはただごとでないくらい強いレベルまで達したので、振り子の反対側である多様性を目指して、行政がつよく誘導することは賛成です。
奨学金なども、大きく学ぶ場所を変えようとする学生に優先してあげるとか、いろんな方法でこの傾向を助長できるといいとおもうのです。

ラボの引っ越しで、なかなか難しい問題がたくさんあって、精神的にも相当なダメージを受けてるな、と最近は自分で思っています。
去年の暮れに突然この建物から退去命令が出て以来、二転三転、当局のプランが大きなところから詳細なところまでなんどもどんでん返しがあります。
そのたんびに大きく軌道修正しつつ対応しています。
こういうことで怒ってはいけない、と自制していますし、また怒ってもまったく無意味なことはよく分かっています。
引っ越しで研究への激しいダメージは無いようにする努力は最大限していますので、そのたんびの対応がほんとに疲れます。
しかしなにごとも無いように生活はしていても、最近はひどくこのことで疲れているのを自覚します。アヒルの水かきというのがあって、水面からはすいすいやってるように見えても、水の中での仕事というか配慮というか考慮が非常に大変です。とくにいろいろな決断があることも事実です。
もちろん現場で引っ越し準備をしているラボメンバーも大変なのですが。
研究室にとってもわたくし個人にとっても、相当はげしいダメージになることは間違いないでしょう。残念ながら。

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