ビジブルな研究室

Hさんと一緒にラボに出てきて道中いろんなはなしをしました。もちろん大半は研究のはなしですが、おりおりに世間話をします。たとえば日本政府とプーチン大統領の関係はどうかとか、最近の東欧の留学生は非常に優秀で英国人などより平均ずっと上だとか、そんな話題が、わたくしと彼しかできないような特殊な研究のはなしの合間に出てきます。

ラボに着いてからは、数人の人達の研究のかいつまんでの紹介をしてから、本人たちとも直接しゃべる機会を持ってもらっています。
なにしろ、かれならば日本はもちろん世界中の誰よりもある意味でここの研究室の仕事をフォローしているのですから、こんなに価値ある人の訪問はそうないわけです。
外に向かった窓として、まずHさんあたりがどう言うかで周囲の理解ども違うのです。
研究室の理解者を海外に沢山もてばもつほど、研究者としての生きがいは増えて来るわけです。
わたくしはよく研究室のことをフランスのミシュランのレストラン格付けに例えます。
飛び込みでなにも格付けされないところでもおいしくて素晴らしい食べ物をフランスなら(日本でも)食べられますが、研究の世界ではどうでしょう。
三つ星レストランは、そこを訪問するのに特別な旅行を計画する価値があると判定されることです。
わたくしは、自分の周囲の人間に、三つ星ラボを目指せと、言いたいです。
自分のラボを海外からわざわざ訪問してくれる人が出てくれば、くる人が縁故関係者だけではなくなれば、ラボの評判はかなりのものだといえると。
研究の手ごたえはそういうところりに現れるのです。
こられたら、なるべく隠さずに、自宅まで開放して開けっぴろげにやるのが、後々よいことがおきるための条件でしょう。
ビジブル(目で見える)ラボの特徴は、一つ星でも時間があればぜひ寄りなさい、というものですから、東京とか京都とか場所的に圧倒的に有利なところで店(ラボ)を開いてるのなら、訪問者で繁盛してあたりまえでしょう。でも山形とか鳥取あたりで海外の研究者に寄ってもらおうとしたら、一つ星クラスでは相当な努力をする必要があります。つまり自分で国際会議を主催しようと思うくらいでないといけないでしょう。
村おこし、町おこしとおなじで、研究室おこしの行事を積極果敢にやる必要があります。
研究者はゴシップ好きなので、誰それがいい経験をしたなどというエピソードなどは短時間で世界を駆けめぐるものです。

Hさんのセミナーはもうすぐなので、ここでやめておきます。

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