昨夜はG0ユニットのこんどは技術員の人たちとユニットの事務をしていただいているTさんや電子顕微鏡室のYさん達と一緒に晩飯に行きました。始めての場所で居酒屋ですが、個室でしたので、歓談できました。たいへん楽しかったです。このユニットはほんとに素晴らしい人達に恵まれて、研究自体もグループの雰囲気もとてもうまくいっていて、言うことありません。
京大での研究グループが存在する建物はなんどもこのブログで触れているように工学部9号館といいます。百万遍の角に立てば目の前に見えます。その3階にあるのですが、一グループの面積としては格別に広いもので、大学の研究室の狭小さを知る訪問者ならいちように吃驚するはずです。わたくしはいつでも縮小に応じるといっています。
なぜ広いのか、その理由は、工学部化学系学科が桂キャンパスに出たあとで、9号館を使いたいと手をあげた時に、その内部の改装には経費がかかったのですが、使用したいと手をあげた研究科がほかに無かった経緯があるのです。また、その経費のかなりの部分をわたくしが代表者をしていたCOE拠点型の特別推進の間接経費を使った経緯もあったのです。つまり、広い面積を改装するのだからそれを改装したグループがしばらく、どうぞ使ってくだだい、という流れがあったのです。別にいいかえれば、生命科学研究科が工学研究科が長年にわたって使ったあとを改装する役割を担ったのです。そのために億単位の改装費がかかったものです。
手をあげた研究科が他に無かったことが、わたくしたちや他に三つの研究科内のグループなどが、ここに移れた経緯なのです。建物は桂に転出したあとも依然工学研究科が権利を所有しているらしいのでそういう名前で呼ばれているのでしょうが、そのいきさつは知りません。
さて、これも何度か触れてますように、わたくしのグループの現在の研究費は科学技術振興機構からのもので研究費に直接使えるのが、5年間で5億円、つまり年間1億円です。これで20人近い研究員や学生たちの研究費から人件費までのコストをまかなっています。生命科学系の研究費としては、わが国では上のほうのクラスの額の研究費をいただいているわけです。他に研究費についてくる、間接経費というのがありまして、年間3千万円、そのうち千五百万円を大学本部に上納していますが、それがどう使われているのかは知りません。研究科にくる残りの千五百万円の間接経費の使用の内訳はわたくしはある程度知っています。
現在の研究費以前の5年間で上述した20億円弱の文部科学省の研究費をいただいて、他に5つの京大内のグループと一緒に特別推進研究をやって来ました。わたくしがこの代表者であったのですが、これが昨年3月に終わっています。研究費の高額さから予想されるように、厳しい審査や評価のもと、国を代表するような研究成果があがることが要求されていました。
この時の間接経費は5年間で総額5億円ありまして、うち半分の2億5千万円が大学本部に上納されています。どう使われたかは知りません。わたくしたちの特別推進になにかいちどでも大学本部が配慮をして頂いたような記憶はありません。
わたくしたちのこの特別推進研究は最終評価でも極めて高い評価を得たのですが、そこに特別付記として、京大がまったくなんの便宜も継続性もわれわれの研究に計ろうとしないことを批判する一文がつくという異例の経過がありました。
なぜわたくしたちの拠点型の特別推進がこのような冷たい扱いを受けたのかは分かりませんが、わたくしの不徳の致すところというのが日本的正解なのでしょうが、生命科学研究科ができてまだ新しく、京大全学でも本部でも政治力が無かったことも一因でしょう。
残りの2億5千万円が研究科にきた間接経費でそのうちの相当部分がこの9号館の内部改装費に使われたことはたしかです。そういうわけで、現在もこの建物内でわたくしのグループが研究を続行できている経緯の一部は理解されるでしょうか。
きょうは長くなっていますが、この部分は一挙に書かないとなかなか分かってもらえない面があるのです。
さて、もうすこし経過を書いておきます。
現在、文部科学省が政策の目玉にしようとするワールドプレミア研究なるものが新規に出来ました。年間に全国で全分野からわずか5件が認められるのだそうです。沖縄のほうでもDさんを代表として、脳の認知のしくみなどを中心にした申請をすると決まりました。頑張って欲しいものです。
年間15億円程度の研究費をだして、世界的にみて国を代表するものをつくりたいというのだそうです。名前はWorld Premier International Research Center (WPI) Initiativeというすごそうなものです。
これには、もちろん京大からも申請がでるのでしょう。ところが、なんと、京大からのは、出すと100%通ると最初から分かっているのだそうです。冗談だとおもいますが、担当副学長(理事)がいってるのだそうです。
WPIの文部科学省の審査委員会は厳正なものに違いありませんから、100%当選予想などというすばらしい研究が京大から申請されるというのはご同慶なのかもしれません。ここからがきょうの話題の本題なのですが、その申請をするために、申請が通ったあかつきに必要な建物があることを申請時に証明する必要があるのだそうです。
そして、それが工学部9号館になったのだそうです。それゆえ、通る前にそこにいるグループは(つまりわたくしたちですが)は綺麗さっぱりすべて消えて欲しい、とこういうことなのだそうです。
この段階まで聞いた時は、そうかそれはしかたがないのかな、とまで思ったのですが、いったいどのような研究が申請されるのか、具体的に聞いた時に怒りがでてきたのです。
それをここで書くのは未確認の部分があるので、止めておきます。もうすぐ締め切りですから、いずれそのうちわたくしのようなしもじもの人間でも分かるでしょう。N研究科長が教えてくれるかもしれません。
もしも確認されましたらなぜわたくしが怒ったのかの、説明をしたいと思います。
京大に戻りましたので、これからラボメンバーに状況を説明したいとおもいます。