忙しいので、むかしばなし、

きょうはさっきまでめいっぱいにギリシアでの講演の準備をしていまして、これから朝食に行くともう日本時間の深夜までに書けるかどうか分かりませんので、いまごく手短にかいておきます。

このあいだも触れましたようにわたくし27歳の時にスエーデン、ノルウエー、デンマークを夏に旅行しました。ジュネーブ大学のやすいツアーで、誰もつかないのですが、宿と日程がきまっていました。40歳くらいの温厚で感じのよい中国人留学生夫妻、ローザンヌ大学の女子学生ふたり、とそれにわたくしの5人連れ(もしかしたらまだ一人いたかもしれません、40年前なので記憶が)でした。
たぶんスエーデンから、ノルウエーは陸路列車だったのですが、途中でお年寄りの男性がわたくしに話しかけてきて、おまえは日本人かというので、そうだといったら、これからこの列車をおりて俺の家にこい、ぜひ2,3日泊まっていってくれということでした。日焼けしたいかつい感じの男性ですが、しんそこそう思っているらしいので、困ったと正直思いました。
彼の話によると、よく日本に船でいっていつも歓迎された、特に鹿児島は最高だった。おまえは鹿児島からか、とこういう調子です。腕をひっぱられて、ほんとに往生しました。
もうすこしさばけていたら、彼と一緒に行ってしまったと思うのですが、ともあれまだ旅の三分の一、このあとの旅程をキャンセルしてしまうこともできず、とうとう熱心な説得があったのですが、行きませんでした。
いまおもうと、あれは行くべきだった、と思います。たしかにあの頃はお金もほとんどなく、きちきちの貧乏旅行でしたので、後のお金が心配だったのですが、一晩でもあのおじさんと行くべきだったと、いまおもいます。
それで、そのおじさんがスエーデン人だったのか、ノルウエー人だったのか、わかりません。でもたぶんノルウエー人だったのでしょう。船乗りと聞くと。捕鯨船にでものっていたのでしょうか。
もうほんとうの昔話となってしまいました。そういえばあの時一緒だった、まあ美人でおきゃんのあの二人の女子学生はどうしたのでしょうか。それに留学生夫妻ももう80才くらいです、いまどこに住んでるのでしょうか。わたくしもまだ海外にでて半年ちょっとくらいで、いろいろ慣れずにもたもたしてましたので、その夫妻にもまたわたくしよりは数年は若い女子学生にもなんとなく子供あつかいされていたなあ、といま思う次第です。
島国に住む日本人男性は、なかなか世慣れる機会がすくない、というのが数年かの欧州生活の結論でしたが。

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