わたくしは赤福は味と感触があまり好きでないので、よほど空腹かつなにも他にたべるものが無いとき以外は決して手を出しません。それにべたっとしたかんじで、どこからどこかまで食べていいのか、食べたときに口のまわりになにかたくさんあんがべたべた付着していやだなという初印象がありました。
しかし、京都にきたいまから35年前以上のむかし、だれでしたかわたくしより年長の女性にじろっとみられつつ、「関西人はみんな赤福がすきなんですからね、きらいなのは関西人ではないですからね」といわれつつ、ちいいさなお皿の上にひときれ(というのでしょうか)をのせられて食べるのを「強要」されたかのような記憶があります。「関西人は伊勢参りをしたら、これがおいしくてたまらなくて、うれしいんんだよね」、とか一緒にいただれかがおいしそうにほおばっていたのも思いだします。ともあれ、どんなお土産屋さんにいっても赤福はありますから、赤福が関西で人気があるのはまちがいありません。
わたくしは、しかし人生でたべたのは全部で5回以内と信じています。これじゃ名誉関西人の称号がすたります。
しかし、偽装とは無関係にあのあんと白いもち(ですか)のコンビのかもす味が魅力がないのです。たぶん初回の経験が悪かったのです。だれだったのか彼女はわたくしが批判精神旺盛すぎて、かならずやひとこと「悪口」をいうだろうから、それを封ずる先制口撃をしたのでしょう。
それでいま赤福の会社はものすごく困っているらしいです。社員はみな自宅待機とか。操業停止がいつまで続くのか。見当もつかないとか。なんでそんな悲惨なことになってしまったのか。
つまり生産日と本当の生産日がかなりちがっていたらしい。作ったらすぐ冷凍してしばらく(数週間もあったとか)してから解凍して、その日を生産日にしたとか。それくらいまあいいじゃないですか、と言う人も関西に限らず全国にたくさんいそうです。わたくしも赤福食べませんが、その一人です。マグロなんてかちんかちんに凍ったものを長期間置いたものをみんなおいしく刺身で食べるじゃないですか。
ところがまずいことに、つくりたてのおいしさ、というキャッチフレーズで長年赤福は宣伝これつとめていたのですね。たぶんわたくしが赤福初見参したときももうそういうことをやっていたのかもしれません。
これはかなり格好悪いですね。つくりたてのほやほやをあなたのために用意しました。すぐ食べてくださいね、などと長年にわたっていっていたので、どうにも格好悪くて、しかたがない。
経緯はそういうことらしいです。
赤福はもともと上品で品行方正の模範の印象がありましたので、どう倫理的にこれをクリアするか、みものです。はやくなんとかしないと倒産してしまうかもしれません。
衛生的な問題があるとはわたくしには思えません。保健所もいいといってたらしいです。大昔のことですが。しかし、いまのご時世では、消費者いいとはいわないのでしょう。わたくしは決して誰とはいいませんが、スーパーでものを買うときに消費期限が一番先の奥のほうに置いてある商品をかならず買う人も知っています。それじゃみんながそうしたら、生産者こまるじゃないか、正論ですが消費者はそんなひとたちが多いのです。
わたくしは、赤福はもうなんども謝罪していますが、ちがったあやまりかたもあったのではないか、と思いました。
これからは、あやまりかたをおしえるのも大きなビジネスになるかもしれません。