毒ギョーザなかなか深刻、でも興味をそそる展開になっています。
中国における製造側の責任者が日本にやってこられて被害者には大変お気の毒ながら、製造側には一点の問題もあるようにはみえない、という声明です。
正邪を論ずるのが好きな中国マスコミはこれで溜飲をさげているようですが、しかし製造側の主張が正しいなら、日本の消費者はなにがなんだか分からないという点で、中国製品は怖くて食べられないという気持になるでしょう。
正邪の正がとれるのなら、それでいいのかどうか。エコノミックな日本人商売人はそうはいわないでしょう。
いっぽうで、日本のJTとか双日の大企業、それに役所などは相当な失態というか、はっきりいってとんでもない失態をしているようにも見えます。
米国でのいろいろな中毒事件を考慮すれば大変なノー天気状態であったことが日々判明しているようです。
危機にたいする本能的な察知能力の欠落があったことが分かってきました。
ある若い人がいうには、JT(日本たばこ)は毒(タバコ)を売り続けてこれまできたのだから、企業体質的にこういう時の対応は熟知しているはず、企業責任の否定においては、日本企業のナンバーワン、というシニカルな見方もあるかもしれません。
どうもこの毒は商品の外側の包装にべったりと油状に付着していたり、包装に人為的に開けられた穴があって、そこから外部で塗りつけられた毒がギョーザ商品中へ入ったというような、ニュースがあります。
あの厳重な工場内部をみたらたしかに中国側に言い分はわかりますが、いっぽうで不満や復讐心で食品に毒を塗るような不正が起こる土壌も中国にはあるようです(日本だってあるでしょうが)。
ニュースはいまだ断片的なのでコメントしにくいのです。
なかには消費者が食べたら、めまいなどひどい目にあったと報告しているのに、調べた数値は低いのでたいしたことはないという、当事者的な責任者(たしかJAだか生協だか)がいってるのが、大変気になります。
基準値設定がもしかしたら相当に高い方にあるのかもしれません。
日本人は放射能にはものすごくうるさいけれど、化学薬品にはそれほどでもなくて、かなり安全値といわれる値が高いという可能性はないのでしょうか。なにか今回は日本の食品安全行政の非常なる劣化を感じますが、それはわたくしだけでしょうか。
いずれにせよ、もうすこし事態がはっきりするまでは、なんともいいようがありません。
千人以上の人々の被害届け出が思い過ごしなのか、それとも本当に被害にあったのか、わからないのですが、わたくしは消費者の被害届け出をとりあえずは信じるのが、とるべき態度だと思われます。
しかし、今回テレビなどでの「中国からの冷凍食品などの食品は庶民の味とか庶民の食品」とかいう、コメンテーターの発言を聞いて日本はここまでおかしな国になったのかと嘆き節が出そうでした。
安価なファストフードの店の食べ物を庶民の味とかいうでしょうか、もしもこういう発言を聞いても怒らない消費者だけになるのなら、わたくしも日本国民であることを止める日が近づいてきたと思いたくなります。
サントリーウーロン茶あたりが始めに切り開いた大企業主導による中国製造品の大量販売はこういう事件を生んだという意味で、時代の変遷を感じます。
週末にN君の論文がアクセプトといういいニュースがありました。まだ作業がのこっていますが、とりあえず、OKという手紙をもらいました。
ひと言で、嬉しいというところです。
なにがそんなに嬉しいのか。
つまりわたくしの学位をとろうとする若者たちにたいする肩にかかった責任の重さがひとつずつ減っていくからです。今回の減り方もかなり大きい。
端で見るとたいしたことはなさそうですが、実際には相当な重圧です。
わたくしは自分では優れた教育者などとはこの何十年間ただの一度も考えたことはありません。ただ、研究遂行に関しては自分で言うのもなんですが、優れた研究をするすべはかなりよく知っているつもりです。それで、優れた研究をする機会を出来るだけ若者に経験してもらいたい、わたくしの知るベストな教育方法はそれしかありません。
しかし、どうも最近はそうはいってもわたくしの教育法はバンジージャンプをいやがる若者に強要するような教育と受け止めてるような若者がラボ内でも多くなって、わたくしなりの教育法は事実上放棄せざるをえないようなケースが増えています。それから、これだけいい研究をしたのだから大きく伸びるはずなのに、さっぱり伸びてないじゃないか、これではわたくしの信念もぐらつくし、もう大学院生の教育はほんとに打ち止めにしたい、そういう感覚がつよくなっていました。
ですから、週末のN君の論文のアクセプトはいよいよわたくしの教育の終わりの始まりつまり麻雀でいうならばラス前状態になったということで、大きな朗報でもありました。
週末に息子がやってきて色んな雑談をする中で、麻雀のことがなぜかちょっと話題になりました。わたくしは、もう10年以上麻雀をしたことがありません、最後がいつかも記憶にないのですが、ビジネスマンの息子はさすがにそんなことはなく頻度は低いがまだ折々にはやってるようです。息子は東一局の最初の場が好きらしいですが、わたくしはどうも昔からラス前好きでした。
ですから、いまの状態はとうとう好きな状態にたどり着いたということで、週末わたくしは大変機嫌が良い状態でした。