日は照っているのに風が冷たい、そういう日が続きます。坂本の家をでてから数十メートルのところにある大木の桜も二分咲きになってから止まってしまったような感があります。
この時期、どこも混みますが、やはり電車がひどく混みます。新人がネクタイをして、最近ではキャスターのついた小さなスーツケースを持って移動しているのが目に付きます。それと子どもたち。地下鉄の座席の多くを子どもたちが占拠していました。新人のなかには予備校生もいるのでしょう、電車のなかで一生懸命予備校の授業表を作成している若者もいました。最近の入社新人は、終身雇用を願い、先輩社員との飲み会などもぜひ行かせてください、というしらけ世代の反対みたいな若者が多いのだそうです。なんだか、わたくしの若い頃と一見似ていますが、でもわたくしなんか、同世代の連中の大多数とはあんまりあわなくて、いつも少数派でしたので、格別の感慨はありません。海外でも出かけていって、向こうでなんとか食べていこうという、若者が好きです。
こういう時期、時代感覚をもつというのが格別に重要とおもいます。
若者なら、いまの時代はこういう時代、4,5年にこんな時代がくるかも、20年後にはこんな時代がくるのではないか、という予測が欲しいし、その予測の中にその若者の考えが色濃くでて欲しいな、とおもいます。でもなかなかそういう若者に出会うのは難しい。世界についてでもいいし、日本だけの予測でもいいのですが。
わたくしは世界の中での日本の役割を考える若者が沢山増えることが一番いいと思うのです。
そのために世界を旅行するのが一番いいのに違いありません。ギリギリの生活でもいいから、海外で最低三ヶ月をすごすようなことを「おおいに奨励する、やったらなんかご褒美をだすとか」する、そのためにいまのばらまき予算を使うのなら、わたくしは個人的には大賛成です。
わたくしは、日本社会ではいわゆる、格差というものがさらに拡がっていくと思うのです。結局、ものづくりにしても、中国や南アジアでのの労働者が出来ることと、同じ水準のことしか出来なければ、かれらの給料と基本的に同じ程度の額しか日本でももらえないようになっていくのでしょう。つらいことですが、それがアジアで生きることの意味なのかもしれません。
この範疇に入る日本人が人口の20%位になるのか、それ以下なのかで今後の社会の雰囲気はいちじるしく異なるのでしょうか。
でも長期の海外旅行経験のあるわかものが非常に多数になれば社会の雰囲気もかなり変わると思うのですが。