昨日聞いた色んなはなしの中で、研究の内容に直接はかんけいないのですが、特に印象深いのは、やはり中国と米国の関係の深さでしょうか。中国は他の国との関係はどうであり、米国との関係は大切にすることはまちがいないでしょう。
中国には昨年だけで5万人だか6万人だかの科学技術者というか高度の知的な経験をした人たちが海外から帰国したというのです。その前の年が2万5千人とか。
ほとんどが米国からの帰国のようです。呼び戻しているのでなく、帰国したがっている人が非常に多いのだそうです。それで一種の帰国ラッシュ現象が起きているのだそうです。もちろん米国の経済の低下もあるでしょうが、いまの中国の状況なら帰国した方が将来ずっと安定だし、楽しみもおおいという判断ではないでしょうか。中国もそういうことで、二またかけるつまり米国といったりきたりするような人はほとんどとらずに帰国して仕事に専念する人たちをどんどんとっているとか。
この話をきいたときに、1960年代にヨーロッパで聞いた、ドイツ人が大量に米国から帰国したということを思いだしました。しかし、大量とはいってもせいぜい100人から千人程度でした。しかしそれでもドイツのトップクラスの研究所で米国帰りが影響力をだして、まもなくドイツの生命科学などは飛躍的に伸びだしたのははっきりしています。
中国のばあい、米国にいた人達の数ははんぱでないのは、論文での中国人の数をみればすぐわかることです。
研究費もどんどんふえていて、研究や海外での学会参加にはまったく問題ないといってますから、中国の科学技術の発展はこんご10年で瞠目すべきものになるでしょう。
わたくしにはすこし問題点も見えますが、そんなことをあげつらうよりは、この膨大な数の帰国者が引き起こす地殻変動を注目強調すべきと思います。
応用中心の資金提供の行政の傾向を嘆くのはありますが、でも研究費の金額多寡で苦情をいうような研究者はほとんどいませんから、日本などにある研究環境の雰囲気とはずいぶん違います。