新型インフルエンザに対する京大の方針、

つよい雨です。ラボに出てきて、たまった仕事を一挙に対応しています。
来週からの英国、スイス行ききょうチケットが出てきます。
そこで、わかったことは、京大は5月1日付けで、この新型ウイルスへの「本学」の方針なるものを公表していたのでした。休暇をとれ、という奨励もあり、大学に来てないのですから、知りようがありません。
それによると、発生国への学生、教職員への渡航は「強く自粛を求めます」、とこうあります。
今回でいうと、英国が発生国です。発生の疑いのある国へは「延期、また自粛を求めます」とこうあります。
もしも強行すれば、帰国した後、帰国日も含め、7日間は自宅待機するものとします、とあります。教職員はこの間、就業禁止とあります。

ただ、ただ、呆れましたが、泣くこと地頭に勝てるはずがありません。
大学当局との議論などまったく無意味でしょう。通達がでたら、それまでなのでしょう。

わたくしも渡航予定通りにしたいのですが、とりあえず英国は諦めることにしました。Y君には大変に申し訳ないのですが、いまからいけないというメールを書きます。共同研究の詳細な相談も出来なくなりました。

帰国してからの1週間の就業禁止命令ですが、帰ってから、またそのとき考えましょう。
ここで自分の方針はさらけ出したくありません。

日本とスイスの研究者が何十人も集まって最高クラスのジョイント会議をやるのに、日本側参加者がまったくこなかったら、いったいどういうことになるのでしょう。
これほどの二国間の友情を高める機会はないのに、大学からのこういう「自粛のおどし」のいうことを聞いていたら、国の間の真の友情関係など作れるはずがありません。
スイスの関係者からは、絶対安全だから、大丈夫ぜひ来てほしいと言って生きています。

今回のインフルエンザは軽微、軽微と世界中の専門家は言っているのに、日本国内だけが突出して厳重警戒をしています。WHOは渡航禁止をしないように、と各国に言っているのに、国内の各事業所はこういう調子です。

検察庁の役人が捜査にのりこむのとほぼ同じ雰囲気で、完全防護服の係官が飛行機内に入りこむ画像を何度も見ましたが、いったいこれはどういうことなのだろうと思います。長い飛行のあとにさらにまた長時間待たされる乗客は可哀相です。
日本ではまっとうな常識がもう通用しない国になりつつあるようです。

麻生内閣になってから、官憲国家、統制国家という雰囲気が強力に醸し出されて来ている感があります。戦前とはこういうふうに政府、官憲とNHKなど大マスコミが先頭にたって、国民をある方向に連れていくようにしていたのだと、今の若い人には非常にいい教育体験とも思われますが、いったいどこまでこの調子でいくのでしょう。京都大学もこの風潮の片棒をかつぎたがっている体制のことはわたくしもよくわかります。
北朝鮮の圧政をわらう日本は、本当のところ笑えるのでしょうか。

タイトルとURLをコピーしました