伊豆での領域会議

朝早く起きて伊豆の修善寺から車で20分かかる山の中の研修所での研究班会議に来ました。
染色体サイクルの制御ネットワークという研究領域で東京との臨床研の正井久雄さんが代表者でして、今年度が最終年度ということで、いつもいつも不義理ばかりなので、今回こそと思って出てきました。
年齢的には現役バリバリとはいえわたくしからは格段にお若い方が多く、刺激になります。
やはり明解な結論にむかって実験をたたみかけて行く、研究の報告はたいへんに面白いものです。こういう面白さが味わえるのは、こういう基礎中の基礎の研究だからです。議論も活発で、いい分野だな、とつくづく思いました。

しかし、研究費獲得という点では年々歳々きびしくなっています。
研究費は重点的に配分という魔のスローガンが出てきてから、日本の生命科学は力をつけてきた面と、弱体化した面とほぼ半々だと思いますが、重点化が一段と進展してきたこの十年間で、そこから脱落した研究領域を失ったことが一段とマイナスの影響を及ぼしているのです。脱落したものが基礎分野であればあるほど、影響は深刻だとおもうのです。

この基礎中の基礎の染色体・クロマチンでも安閑とはしていられません。

主食なんか食べなくたって、人間は健康に生きられますよ、という類の意見の持ち主が日本の科学技術の予算の立案などに大きな影響を与えているようですから。

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