日米の絶縁感、黒色コメディの先、自助のためならすべてをなげうっても

日米は同盟国ということになっていますが、民のレベルでは同盟とはおよそ縁遠いのかもしれません。沖縄の読谷で男性がひき逃げされて死んだ事件で運転していた米国人はまったく知らない、でもひいていたのだったら、ごめんなさいです、と人ごとのような発言です。もうひとつは10代の米国人4人が道路に細いロープを張って女性がバイクでひっかけられて瀕死の重傷なのに、彼等4人は逮捕されるまで知らんぷりを決め込んでいます。日本人蔑視とはいいませんが、日米の人々の間で同じ生活空間を共有しながら互いの友好感は極めて乏しくなっていることの象徴と見ています。いつも米が加害者、日が被害者の構図で、かつ相互の絶縁感がなんともいえず情けないです。

この仕分事業に関する、政治社会劇がだんだん見えてきました。
国民の85%だかが喝采するこの公開仕分け劇ですが、悪役はあいもかわらず「高級」官僚です。必殺と冠がつく仕分け人はいまや救国のヒーロー扱いです。
郵政選挙の時の熱狂もいまから思うと不思議ですが、この税金節約の熱狂仕分け劇もいまから数年もたつとこの熱狂が不思議に思いだされるでしょう。
この仕分け事業の司令塔にいるはずの首相は自分の周辺で巨額の個人的なお金、母親のお金などが一緒くたになって、野放図にしてアナーキーとしかいえない政治資金の乱脈な集め方使い方があることが分かってきてます。でも不思議に、そのままほったらかしになると予想されています。
この節約と乱脈のコントラストが黒色コメディの主モチーフです。
仕分けで予算が減らされる学者先生方は、わたくしも含めてみなけしからんと怒ってるのですが、残念ながらこの劇の脇役でしかなく、社会の中での影響力は非常に弱い。野依先生は仕分け人は歴史の法廷に立てるかと名言をはきましたが、仕分けに対する熱狂を止めることはできないようです。
この黒色コメディを見ている少年少女はなにを感じているのでしょうか。かれら自身の未来にむすびつけてどう感じているでしょうか。わたくしはそれを一番知りたいです。
わたくしは、それなりに問題点が分かってきました。
政治というのは理屈で動くのでなく、いわゆる一寸先は闇、ということなのです。この先のわからない劇を見ているしかしかたないです。
官僚政治はその点、先が見えるのですが、政治主導というのはこういうわけの分からないことがこれからずっと続くのでしょう。いま表に出て来ない菅氏の国家戦略がいかなるものか、それも知りたいものです。

基礎科学研究に対する国家のサポートが乏しくて苦労したのは欧米での有力国でも同じようなことが起きているのです。彼等がやってきたことについてはこのブログでも何度も触れているのですが、やはり民間からの寄附が一番のソースでそのためには寄附にかかる税金を減らすことからいろいろな工夫がされています。特に米国は寄附文化がもっとも盛んです。日本がこれを直ちに模倣することは困難です。
でも今回のことを契機に、国を頼りにしないで基礎科学研究をしようという自助の機運が基礎研究者のあいだで拡がるということはありえないでしょうか。
わたくしは真剣にそのことを考えるべきだと思っています。
もしもわたくしがそのような運動に関われることができるのなら、すべての雑用をなげうって、その運動に参加したいものです。

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