かつてオウム真理教が世の人々の目に触れるようになって、総選挙で出てきて始めてなんだか不思議な宗教団体だなという印象を多くの人に与えました。その後、あれよあれよというまにいろいろな出来事というか底知れぬ凶悪な犯罪がおこり、この国始まって以来のものすごい宗教団体だということになりました。しかしひとたびこの教団の顛末の説明がされましたが、わたくしのような多くの日本人に腑に落ちた説明があったかというと、必ずしもないような気がします。社会的にも知的にもかなり高い人々がなんで多数あのようなことをしでかしたのか、わたくしはあんまり分かっている気がしません。まだ連合赤軍のほうが分かりやすいのです。
比較するのもおそれおおいのですが、民主党が政権を取って以来よくわからない、わからないという気分でこの政権についての知識が増えてきているのですが、このつきあう経験がどうもなんだかオウム真理教が社会に出てきた初めの頃のあのときの、いったいこのグループは何なのだという不可解感と似ているのです。
まったく感覚的なものです。誤解がありませんように。民主党の未来がオウムと似ているなどと言う気はまったくありません。
民主党の実体、すこしずつわたくしの腑に落ちてくる部分が増えてきました。
民主党の一部というか、強力な議員さんの相当部分は自民党元田中派であるということ。
やはりそういうことなのです。
土建国家日本を頂点に押し上げた田中角栄さんが作った派閥にかつて所属した議員さんの多いこと。鳩山、小沢、岡田、渡部などなど。田中真紀子氏もそうでした。
コンクリートから人へ、という政治スローガンはなるほど昔の反省の弁なのでしょうか。
でもわたくしなんぞは、このコンクリートを全部はがしてほしい、もとの美しい自然に戻してほしいと思います。
コンクリートから人へ、いく前にまずコンクリートを除いてほしいのです。美しい山河、海からです。
民主党の中には自衛隊を持ちつつかつ米軍との同盟も維持しつつ、憲法九条をシンボルとした非戦ニッポンという夢のような平和日本、矛盾したと言わざるを得ない元社会党的な信条の人々がかなり多い。つまり外交はポリシーはない。大ざっぱなアジア的共同体でいいじゃないか、という考えが強くあるようです。ギリギリとどちらかを選べと言われると、国論が分裂して何もできなくなるかもしれない。
このあたりのこと米国はだんだん分かってきて、鳩山内閣はとんでもなく予想外の行動に走るのではないか、つまり下手に頭をこずくとやけになって何をするかわからない。そんな恐怖感を持ち出しているのかもしれません。
科学技術政策については、これまで科学者があまり知らなかった財務省のロジックが表に出てきました。わたくしなんかはポカンとしていましたが、いまはやはり財務省的なものの考えをまず学習するべきなのだろうと思いだしています。なぜ、民主党が財務省とくっつくのか、という素朴な疑問はまだまだ解けません。でも民主党は田中角栄さんの逮捕以来検察とはどうもうまくいかないので、日本の別な権力機構である財務省と組んだのでしょうか。検察がリークできないというか検察に勝てるようななにかリーク材料を財務省は持っているのでしょうか。税金のことでしょうか。
民主党は外界との相互作用によって激しく変わっていくかもしれません。
マスコミや検察が民主党議員をなめているとそのうちとんでもないことがおこるかもしれません。
民主党政府はいま学習中経験中なので、まだまだあれよあれよということがこれからの状況次第で起きるような気がします。