寒い! 身にこたえます。
比良の家というか下の畑のほうが気になって行きました。坂本あたりでは雪はほとんどというか、まったくなかったのですが、堅田あたりから増えだし、蓬莱の麓を走る頃は周囲は真っ白でした。
ネットが雪でつぶれたのではという不安は当たらなかったでした。着いて見えると無事でした。
ただ雪は積もっていて庭で10センチ近くありました。さらさら雪だったのでネットの目の間を落ちてくれたのでしょう。ボタ雪だとひっかかってそれで困るようなことが起こったはずです。
政府は有料高速道路を全国のスカスカに空いたところであちこち無料になるようです。この湖西道路はその先駆的なものでしょうが、交通量は有料時よりも10倍どころでなくはるかに増えました。以前は夜間など前後1キロのあいだ車なし、対向車5分無し、と言う調子でした。国道で充分というドライバーが多かったのでした。有料時はわたくしたちの場合、往復で1600円でした。それが今は無料。ありがたいことです。無料化にともなって国道になったと聞きます。旧国道のコンビニが何軒か消えました。
無料になれば、地方にすむ人達の生活圏が拡がるのでとてもいいことでしょう。わたくしもそれまでは縁がまったくなかった安曇川あたりはいまではかなりよく地理を知っています。
あしたからまた三日ほど沖縄に行きます。
いろいろ用事があります。ラボの引っ越しも関係があります。
このあいだ大学の出版会からでる本の原稿で「倫理への挑戦は生命科学研究の自由を拡大するか?」というちょっと挑戦的なタイトルのものを書きました。ここでその内容を説明はしませんが、その中で「研究不正」のことも一部論じました。
研究の世界では、「嘘をつく」のと「盗む」という行為は、だいたいどこでも駄目といわれます。でも詳しくみていくと、なにが「処罰される盗み」なのかなにが「処罰される嘘」なのか、境界が曖昧になってしまう状況が割合多いのです。そのあたり、すこし深めに論じたつもりでした。
きょうここでそんなことを書き出したのも、やはり嘘をついたかつかないかを調査して結論をおろすほうが他の不正に比べると、より明確に結論を出せるということです。昨今の事件で問題になっていたのは虚偽記載ですから、やはり嘘をついてるという点では類似性があります。でもエラーでしてしまったということと意図的の差がはっきりしない場合はあるでしょうね。
今回のは意図的な虚偽記載ということを認めたようですので、嘘をついた、その点ははっきりしています。
研究の世界での虚偽記載のどの程度のレベルに相当するのか、比較してみたらどうだろう、数分くらい考えましたが、結論は出ませんでした。話では、小沢ボスが個人的に金を持ちすぎているということを世間から隠したい、とこういうことですね。そういえば首相の秘書さんも世間からの政治寄付金が少なすぎて恥ずかしい、とかそんな理由だったとか。どうもちょっと。
研究の世界であったことですこし似ているのかもしれないのは、もうかなり昔ですが、某大学の生物関係の研究室で高名な教授の研究理論というか主張にあうように、研究室の技術員がデータを捏造したというものです。心酔していたのか気に入られようとしていたのか、ボスの主張するモデルによく合うように生物材料に細工をして、データを出したのです。教授は喜んで発表し、経緯は忘れましたがたしか外部の指摘もあり、その後データが捏造であると分かったものです。教授は責任をとって辞めたとは聞きませんし、技術員も解雇になったのかどうか分かりません。二度としないようにと譴責を受けた程度かもしれません。大昔の出来事ですから、つい出来心でと言うことで世許したのでしょうか。でも極めて有名なできごとで、新人から老人までその分野の誰もが知っていて、わたくしのようなかなり分野も場所も非常に離れた学生にもこのエピソードは聞こえたものです。つまり教育効果のある出来事だったのです。嘘つくとえんま様にやっとこで舌を抜かれると、わたくし子供の頃にきいて子供心にそれは痛そうだと強く思ったのを思いだします。研究不正もそいういうえんま様的なお話しは結局効果があるのです。
今回のと見かけぜんぜん似ていないのでは、教授が捏造データを次々につくり著名な論文をいくつか発表し、それらに憧れてラボにやって来たポスドク達が教授の研究に疑義を感じ、探偵小説のような経緯で捏造をしているという「証拠」をつかんだものでした。これも世紀の捏造事件と騒がれたもので、国際的な審議が行われ教授は解雇されたと聞きます。しかし教授は納得せずにずっとポスドクが捏造証拠を作ったのだと主張し、2,3年前にも自分の研究はほら、結局正しかっただろうという類の手紙が多くの著名研究者に送られたものです。
しかしいずれにせよ、こういう嘘をついたかつかないかは、すべて証拠に基づいて論じられています。証拠は表に出てきていて誰でもがチェックしうるかたちで提起されます。ですから誰に見せてもいいような証拠がでないとなかなか嘘をついた事実は証明できないものです。
しかし実は問題は、嘘によってどの程度の処罰を研究関係でするかですが、法律がないので非常に幅があります。失職するのが多いので、それ以外には何もないというのが普通です。でもそれでいいのか、という意見をいう人達も少数ながらいることは事実です。国の税金を使ってますしね。
一方で「盗む」というほうですが、これはとても難しくて、ごくごく粗雑簡単な盗作盗用以外は悪事としてひっとらえるというのは非常に難しいのですね。研究の世界の難しい面がたくさんあります。ひとたび「盗」を論じだすと。