暑さと時差ぼけ解消、クーデター色のみえる政権

帰国して最初に思ったのは暑い!でした。
そして今朝も暑い。このあいだ植えた種はこの間大きくなったのですが、週末まで玄関においておきます。この間、収穫もたくさんあったとの妻よりの報告です。
西向きの大陸間旅行は時差ボケがきつくないのですが、ぐっすり眠れて眠気もなく、きもちよく一日を過ごしています。

研究者というのは誰もがいったことのないことを自分が最初でいってみたい、こういう気質があります。わたくしは特にそれが強いことを自覚しています。床屋政談でもそういう類のことをいってみたい、つまらない自我ですが、まあそういうつもりでつまらない話として聞いて欲しいのですが、いまの内閣は戦後のなかで三木内閣に続いてクーデター色があるような気がします。平和日本が軍事的な政権転覆というか政権奪取の用語であるクーデターを使うのは誤りといわれそうな気もしますが、政権の奪取という点でおなじ権力機構のなかで突然おこるとまあそういう言い方をしてもいいのではないか、とおもいます。
三木氏はクリーンが売り物でしたが(とはいえ実際は大富豪がバックにあったのですが)、有名な椎名裁定で総理になりました。それで田中角栄氏の逮捕の道筋もつくり自民党の権力機構の中でクリーンを合い言葉にかなり異質な政治をやりました。しかし、実際になにか内容のある政治をやったかというとそんなことはまったくなくクリーンと政治浄化と角栄逮捕以外に思い出せるものはありません。大平内閣や池田内閣や中曽根内閣の存在感とは雲泥の差です。でも椎名裁定を機会に権力奪取に成功して2年程度続いたのでした。三木夫人の存在感はたいしたもので、さすがに久原房の助の孫娘でした。
このいまの内閣、総理と官房長官は経歴的に戦後最左翼の出身のことは間違いありません。でも読売の偉い方とか田中清玄氏とか左翼が右翼になったケースはいくらでもありますので、いまの総理と官房長官がいまでも左翼などとは思う必要はまったくないでしょう。ただおふたりとも若い頃から強烈な政治志向があったように見えることと、総理の方はクリーンを売り物にやってきたことは間違いありません。そういう点では似ています。
前総理がある意味、自分で椎名裁定のようなことをやって、この二人がこのような内閣を作る道を開いたのです。元市民運動と元社会党員の内閣ですから、まちがいなく異質の人たちによる権力奪取が実にスムースにいったのでした。ただここまで一つの色に染まる度合いがつよくなるとは裁定した前総理ご本人も思ってなかったのではないでしょうか。
ともあれいまの総理、官房長官は権力にかんする意識というか意慾はたぶんすごいものがあるともうので、いったい何を目指すのか、権力が最終目標だったとおもわれないなにかがあってほしいのですが、はっきり出してもらいたいと思います。たぶんアジア融和がかれらのあんまりはっきりいってないスローガンなのだろうと思います。ただ米国と対立したら大変とは思っているでしょうから、どうでしょう、強くやれるでしょうか。
問題は国内政治の権力闘争でこちらは苛烈にやるでしょう。国民としてはあんまりとばっちりを受けたくないですね。三木おろしというのはどの程度皆さん憶えているか。いろいろの類似性がありますが、いまの二人の方が旧左翼系ですからいくさのしかたは知ってるように思えるので、見所は沢山あると思っています。

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