触れてほしい話題、29学会長緊急声明

お盆のまっただなかですが、ラボにきています。
さすがに休みを取ってる人たちもいます。

さっそく触れてほしいというトピックスへの要望がありました。
ひとつは日本の29学会の会長緊急声明です。以下のサイトで読めました。
http://www.jsap.or.jp/headline/20100730_29gakkai_seimei.pdf

一読してそのとおりです、と思いました。文章が長いので引用はしませんが、強い危機感が全面にでています。科学技術は重要といいつつ、大学などへの予算を大きく削減する、この相反する政策に戸惑っている研究者たちの苦悩が強くでていると思いました。
わたくしもこの民主党政権の二面性を理解出来ない国民もいまや混沌とした意識を政権に対して持っているのだと思います。また混濁したイメージで日本の未来を考えだしていると思っています。

参議院選挙で民主党が大敗したにもかかわらず国民の8割が菅首相は退陣しなくていいと、世論調査にこたえているのです。いまでもそういう調子で、現政権を支持するより支持しない方が多いのにもかかわらず菅首相は辞めるべきか、と聞くと多数が辞めなくていい、と答える、これがいまのあの賢かったはずの日本国民の答えなのです。
日本人の政治意識は分裂したのか,壊れてしまったのか。
かれらにとっては、日本の科学技術などどうでもいい、いまや小さな問題になってしまったでしょう。しかし、個人個人に科学技術は日本が生きていくうえでもっとも重要ではないかと聞けば大半の人たちは「そうだ」と答えるでしょう。この分裂観はただごとでなくいまやありとあらゆるところに出てきています。
悲しいかな、鳩山から菅首相へのわずかな期間に日本の政治社会はそれを支える日本国民の意識が混濁してきたと同時に悪化したと言わざるをえません。国民のコンセンサスができるような状況でなくなってしまいました。民主党の代表選の下馬評とか検察審査会での小沢氏に対する判断についての下馬評などを聞けば日本がここまで混濁するとだれが昨年の選挙後に思ったでしょう。民主党政権は自民党の沖縄現知事にぜひ次の選挙で当選して欲しいとまで言っているのです。

この学会会長の声明での提言は要約すると以下のようなものです。しごく真っ当でありわたくしも賛成です。
問題は以下にしていまの政権に耳をかたむかせるかです。いまの政権のままでなんとかなるのかどうかすらも分からなくなってきている感もあります。しかし忍耐強く関係の政治家や官僚を説得していかねばならないのでしょう。でもいちばん大切なのは国民レベルでの浸透です。でもわたくしはいまは悲観的です。理由は色々ありますが、お金になるような研究ばかりを尊重する気配があまりに強すぎるのもその一つです。また研究内容でなく外面的なことばかりで判断する国民や指導者があまりにも多すぎます。

提言 「科学・技術による力強い日本を実現するための大学・研究機関の強化と予算措置 を求める」 1.研究教育予算・投資の維持・改善 2.多様な評価・価値観の導入 3.女性・若手研究者支援と奨学金の充実 4.政策決定への学会からの意見表出

タイトルとURLをコピーしました