総合科学技術会議あたりでのいろいろな文書が科学と技術のあいだに点をいれて科学は技術の修飾ではないとしていたのでしょうが、これからはおおむね中点なしで科学技術と表現するのだそうです。
わたくしは、しかたないというか、政府主導の会議では当然かなとおもいます。ただ英語ではどう表記するのか。Science and Technologyなのかそれとも別な表現があるのか、そこのところを知りたいとはいちおうおもいます。中点があったほうが基礎科学をより重視しているとかいう議論もあるようですが、あまりピンときません。短い期間で国民の米びつになるようなものは技術に力点がかかるのはしかたないのでしょう。
ただ、科学の成果は楽しみとか世界共通の娯楽という点もあります。サッカーで世界一になろうとするのなら、同じように世界の人々に喜びをもたらす、科学の世界でも一番になろうという気持ちがほんとうに大切でしょう。それゆえ、基礎科学でトップを目指せば、世界のなかでも日本の地位を高めるのでしょう。
基礎科学を充分やれる国力のない国のわかものは国を出て世界どこでも機会のあるところに行くのです。科学を世界市民としてやろうとするのなら、まず機会を与えてくれる場所、国に行かざるを得ないのです。今年のノーベル賞の根岸さんが身をもって示しています。同時にかれが愛国者というか愛郷者であることも、はっきりしています。祖国への愛情が彼を50年間研究に邁進できた理由なのでしょう。かれほどえらくならなくても、国で機会をえられなかった若者たちはみな外国で基礎研究に従事するのです。
日本は太った敗北者などとシンガポールの高官にバカにされるのは腹がたちます。政治家ではなくて、日本のノーベル賞受賞者のリストを見せて、日本のどこが敗北者なのかと聞いてみたいと思うのです。
国富というはほんとうはなにかを日本の国民のひとりひとりが胸を手に当てて考える時期に来ているようです。
話が違いますが、河村市長は今回のリコール運動は、選挙の1000倍大変だったと言っています。このセリフを結果が出る前にマスコミは報じてほしかった。予知能力のないマスコミくらい、国民のお荷物はないというのがわたくしの持論です。