むかし、こどもを卵で生みたいと言った女優さんがいました。卵で生むと言っても、そのあとずっと暖めていなければならないような鳥の場合では大変と思うのですが、なかには生み放しでも無事発生が完了して子供になる生物もいますから気分はわかります。育児なんかもまったくしない生物もいます。でもダチョウの卵なんか大きいので、あれが体内を出るときはかなり痛いのではないかとも思われます(知りません)。しょっちゅう卵を産まなければならないとすると,卵を産むのも大変かもしれません。人間の場合は、女性が体内でずっと暖めて育てます。月経というのがあるとおり毎月せっせと卵を卵巣で作るのです。最初は小さい卵も受精して、子宮で着床して時がたてばどんどん大きくなって、10ヶ月も経つと立派な赤ちゃんです。母は偉大なり、というのはたぶん男性の言葉で、自分にはまったく手の届かない世界で有り、経験でもあり、畏怖の念をもってこの妊娠期間の女性に接するのです。
それで野田聖子さんです。きょうテレビでちらっと妊娠前の彼女の笑顔を見て、また心からよかったな、と彼女の達成に祝意を感じました。野田聖子さん申し訳ありませんが政策を知りません。ただ昔衆議院で議場内で大声で議事進行を言う担当だったときに、その大声を聞いて驚いたものです。人柄的に体育会系とくくっていいのかもしれません。母になろうという偉大な情熱もそして勇猛果敢な実行力もたいしたものです。実行力は首相になってもその点では大丈夫でしょう。父君はたしか野田卯一とおっしゃったのではないでしょうか。紳士タイプで熟慮型の政治家だったのか。それで野田聖子さんが書かれた体外受精体験の記録を読むと、実に専門的なことがよく分かっておられるのに感心します。体験もしていますのでリアルで分かりやすい記述で生命科学や医学の本質的なことを理解されているようです。ここまで書いて思いだしました。郵政民営化法案に反対して、しばらく自民党を出て、あの佐藤ゆかり議員が代わりというとなんですが、自民党候補になったのでした。その後のことは憶えていません。野田聖子さんの赤ちゃんも早産だったようでしばらく治療室におられるそうです。これかれもずっと節目節目で話題になるでしょうが、それよりも私生活の充実により政治家として大きくなって欲しいものです。
さいきん、あらほーとかいう造語があって40才くらいの女性(男性が入るのかしりません)の元気な活動というか活躍が話題になりますが、あらふぁいぶという言葉も作って、50才でも子供を欲しい人は持ちうるというのを国がもっとバックアップしたらいいと思うのです。もちろん高齢出産にともなうリスクは相当なもので、赤ちゃんの異常も頻度が非常に高まるのですが、これを克服するためにはこのような分野への研究経費を増やして頂ければ、すぐとはいかぬも確実に克服しうるはずです。
実はわたくしが長年やって来た染色体の伝達、継承の基礎研究がこの染色体異常にかなり直結した研究なのです。高齢出産に負けるのでなく、そんなもの当たり前という時代がくれば、人生90年時代も退屈しないで送れるじゃないですか。あらふぁいぶからの出発を考えるためにも、高齢出産の危険除去のための基礎研究を発展したいものです。