たくさんの外国のひとたちがお見舞いのメールをよこされてきました。このあいだ会ったアルメニアの若い人たちも,同じ地震国なので。
この地震津波災害をどう考え受けとめたらいいのでしょう。すごい揺れが東京あたりでもあったので震源にちかいひとたちは、誰もが自分や家族や隣人を救わねばならないと行動したはずです、それなのにこの甚大な死者、負傷者です。揺れと津波、どれほどこわい思いをしたのでしょう。東京にすむ長男は電話してきて、本当に揺れがすごかった、もうすこし大きく揺れたら、東京でも多数の被害が出たに違いないといっていました。
いっぽうで速報画面をつうじて国内、国外に報道されるこの甚大な自然災害をみてこの程度の数の人的被害ですんでいるのは奇蹟だ驚きだという報道意見も聞きました。スマトラ沖の津波と同等の津波といわれていますが、あの津波では数十万人の人たちが波に呑まれてしまったのですから。しかしいっぽうで東北を中心に数百万人の人たちがこの寒さの中で停電となり、いまも多数の人たちが避難し、被害地のがれきの中で助けを求めているにちがいありません。原子力発電の周辺では数万人ひとが避難を開始しているとのことです。
これは戦争に匹敵するできごとであるにちがいありません。対抗する手段を国家がもたなければなりません。いま一生懸命、対応手段を全力でやっているに違いありません。しばらくは政治休戦をしてみながこの難事に当たらねばなりません。
相手はわれわれが共生を願い、愛しようとする自然なのですが、それがひとたび牙をむけば、かくも恐ろしくまた巨大な被害をもたらすのです。
いまも発生後20時間たっても政府が連絡のできない町が二つもあるとのことです。ネットの時代簡単にどことでもつながると思っていたのにです。
午後3時過ぎ、福島の原子力発電の炉心が溶融かという恐ろしい可能性がニュースとして出てきました。
日経では自衛隊に炉心の冷却を要請という重要なニュースがトップに出てきました。
神戸大震災では自衛隊への要請が遅れたことが大きな問題としてのちのち教訓として残りました。
今回は自衛隊、場合によっては外国軍隊の救援も一刻も早く要請する段階に到達したのかもしれません。
セシウムの放出は炉が極めて高温となり溶融しだしたことの徴候のようです。にわか勉強ですが。
17字40分には原発1号機で爆発ドーンという音が、4人搬送という見出しでの天井が崩落したという日経の報道です。
BBCを覗くと最大級の見出しで、原発で爆発。という見出しが。世界はこの問題を凝視しています。
東電はなにも隠していないことを祈るのみ。官房長官は万に一つの可能性、といっていましたが、もうその万に一つの可能性になりました。
米国のスリーマイルアイランドと似たような状況にはもうなったのではないでしょうか。しかしまだチェルノブイリにはほど遠いはずです。
これほどの大地震の結果です、なにがあっても世界は許してくれるでしょう。でも何か重大事を隠していたら大変です。たいしたことない、たいしたことない、というよりは最悪こうなるかもしれないという報告のほうがいいのだとおもいます。
原発で爆発が3時間前にあったのに、6時半のいまだに政府はどうだったのか情報の開示をしないし、さらに空から取材をするなとまでいいだしたようで、穏便なNHK記者まで怒り出しているようです。
官房長官の引きつった顔をみると重大事を隠しているに違いありません。
1号機の外壁はすっ飛んで骨組みだけになったのに、それを見せても返事をしないのが、保安院の担当者でしたし、もちろん官房長官も何も言わずに、住民の退避地域を半径10キロに念のためにと広げただけです。こういう秘密主義でいいはずがありません。
骨組みだけの1号炉はどんどん放射能を外にだしていることは間違いありません。
そのうちIAEAがなにか発表するとおもうのですが。まったく未知のゾーンに入ったことようです。
21時の官房長官の説明では最悪の状況は脱したようでs、建屋の壁は吹き飛んだがそれは水素が爆発したのであって、炉そのものの構造上の損傷はまったくないとのことでした。それで、かつてやったことのない,炉の中と外を海水で完全に浸す作業を始める。それには約5時間かかるとのことでした。ですから、すべてが順調にいけば明け方には海水でひたひたに閉じられた炉になるはずというものです。ただ、突発的にこの溶融した炉がなにかが起きるかもしれない、それもあり避難を20キロにしたと言うことらしいです。その通りになることを祈りたいものです。最悪ではなく、爆発から想定された一番軽いケースになったようです。
21時20分、日経によりますと、京大の今中さんの説明では、現状でもうすでにスリーマイルを越えた状況とのこと。わたくしもたぶんそうなんだろうと思っていたので、専門家の説明で理解が進みました。今中さんの説明によると、ここから先の作業は本格的な防御服を持つ自衛隊か米軍ぐらいしかできないだろうとのこと。
夜10時半の報道では、南三陸町では町の人口のうち約1万人が不明なのだそうです。まさかとはおもいますが、ゾッとする数です。
11時45分
わたくしが書くブログは海外で働く研究者がよく読んでくださっていることを知っています。
それできょうは時間経過的に出来事を書いてみました。ネットで日本の新聞を読まれれば分かるとおもいますが、同じ研究者仲間が何を聞いて考えるかを伝えることに意義があるだろうとおもうのです。
この未曾有の大地震、津波、全貌を見れる人は誰もいないのでしょう。現地にいけば現地の被害状況に圧倒されてしまうでしょう。いまいちばん役にたつのはたぶんグーグルの航空写真地図による数日前と今の状況の詳細な違いでしょうか。
何戸の家が消失したのか、2500戸という報道はありますが、ほんとうなのかどうか、それが分かりません。