日本政府の思惑通りになればいいのかもしれないのですが、もしもそうならなくて米国などの不安が的中した場合、つまりチェルノブイリのように大量の放射性物質がまき散らされる、日本というか日本国民の世界における立場はかなりつらい原発加害国になるのだとおもいます。最悪のシナリオはそれですが、どこまで可能性があるかは分かりません。しかし、政府や日本の専門家は絶対ないといっても、もうすでに欧米の記事には何度も出てきます。すくなくとも巨大な石棺をつくることは充分ありうるに違いありません。世界と日本の情報ギャップはひどくある。大マスコミもうすうす気がつきだして、欧米の論調などを紹介しています。その中で見逃せない記事は国内からの情報です。読んだ方も多いと思いますが、読売の以下のような記事もあります。もう廃炉は自明ですから、米国の申し入れは正しかったのです。
東京電力福島第一原子力発電所の事故を巡り、米政府が原子炉冷却に関する技術的な支援を申し入れたのに対し、日本政府が断っていたことを民主党幹部が17日明らかにした。この幹部によると、米政府の支援の打診は、11日に東日本巨大地震が発生し、福島第一原発の被害が判明した直後に行われた。米側の支援申し入れは、原子炉の廃炉を前提にしたものだったため、日本政府や東京電力は冷却機能の回復は可能で、「米側の提案は時期尚早」などとして、提案を受け入れなかったとみられる。政府・与党内では、この段階で菅首相が米側の提案採用に踏み切っていれば、原発で爆発が発生し、高濃度の放射性物質が周辺に漏れるといった、現在の深刻な事態を回避できたとの指摘も出ている。福島第一原発の事故については、クリントン米国務長官が11日(米国時間)にホワイトハウスで開かれた会合で「日本の技術水準は高いが、冷却材が不足している。在日米空軍を使って冷却材を空輸した」と発言し、その後、国務省が否定した経緯がある。
昔よんだ子供の本で、船が難破して、救命ボートに乗れる人員が限られたときに、少女と男性の年配者から乗れる人を選ぶとすれば当然のように少女が選ばれたものです。つまり未来と子孫を作れることをかんがえれば、少女を選ぶでしょう。これはある意味、生物の掟かもしれません。子孫の存続が最優先されるのですから。
しかし、この優先性を社会の掟とするのは問題だと思うのです。いま避難所で高齢のかたが亡くなられると聞いて心が痛みます。高齢者はこの状況にとても弱いでしょう。でも本当は一番大切にすべきなのは高齢者ではないでしょうか。上の話と比較すれば、高齢者に暖をとれる優先をしてあげる、子供はもちろん大事にしなければいけませんが、お年寄りを優先してなんら問題はないはずです。生物の掟を強調するような状況はめったにないはずです。そのようなものを強調しすぎた社会がいいはずがありません。あるべき社会の掟は、このような避難所ではまず高齢の方を最優先にしてあげたい。
生物の掟をデジタル的、数量化しやすいものと受けとめると、社会の掟のほうはもっとアナログ的なものだとおもうのです。みんなでそれなりに譲り合うとか、分かち合うとか、これが本来の社会なのだとおもいます。