今日二度目の投稿です。
前にもちょっと書きましたが長いことほったらかしで、こんど大津から運んできた20年以上前のひとつ20キロもあるダイアトーンスピーカーの鳴りが案外よくて喜んでいます。木の床とコンクリートの壁との相性がいいのでしょうか。ただ元々音が堅い難点はあるので、これは変わらずしかたない。Keith JarettのBremen, Lausanneコンサートを聞いていますが、かつてこれほどよく聞こえたことありません。新しく買ったDENONのアンプとの相性もいいのか。ネットを探したら以下のような記述がありました。「カーボングラファイトハニカムコーン採用。金かかってます。今このユニットを作ったらいったいいくらかかるやら。大口径32cmで、密閉型とあいまって結構弾むような低音です。もちろん地を這うような低音を出すことも可能ですがそれはセッティングとある程度の音量を出してあげないと難しいでしょう。」荒野の一軒家ほどではありませんが、でもかなりの音は大丈夫なので遠慮無くそうするとなるほど、上の記述がうなづけます。大津では人家密集だしまわりに筒抜けの家だしこんな音は出せません。
人為性が原因でみつかる病気は興味深いものです。
かつてロンドンの煙突掃除夫の睾丸にがんが多発しました。すすが沢山手についていてこれが小便トイレ時に睾丸に移行するわけです。さらに風呂に入らないという悪衛生条件が重なります。タールの発がん性が意識される前です。
成人T細胞白血病(ATL)というリンパ腫は日本で高月清氏によって発見された疾患で腫瘍ウイルスHTLV−1の感染により発症するのです。発症すると特に急性では予後不良と言われています。日本では九州など西南に多く、ウイルスをもっていれば病気にかならずなるわけではなく発症は2−3%といわれています。このウイルスの感染は主に母子感染であることが知られています。母乳から人工栄養に変えると感染率が激減することも知られています。
C型肝炎から肝臓がんになる人の数は非常に多いのです。このC型肝炎も人為性が原因のものが多く輸血や注射針の使い回しでウイルスの感染が起きるのです。わたくしの母もC型肝炎に40代半ばで輸血によって感染しました。みずから宿痾の業病と言っていました。つまり持続感染状態が何十年でも続くのです。日本人の200万人がキャリアです。いまでも刺青や覚醒剤などが原因になるといわれます。慢性肝炎、肝硬変、肝癌への移行が起きやすいのです。
実際、がんの多くは感染症のようなものといってもいいでしょう。持続感染が何十年も続くようなことがあって癌が発症します。子宮癌も特異的な癌ウイルスが知られています。乳がんはまだはっきりしないようです。また、ウイルスだけでなくバクテリアのピロリ菌のようなものもあります。ピロリ菌も何十年でも胃の中に住み着いています。胃がん患者にはかならずピロリ菌がいます。
アスベストも20年から40年で発症するといわれるように、体内で持続的な感染や異物の存在や付着が癌の発症をもたらすというのはいまでは誰でもが知っていることです。
それで問題の放射性物質の発がん効果です。
放射線を医療に使う専門医の多くは放射線の利用のプラス面を強調します。
マイナス面はあまりいいません。自動車のセールスマンが新車を買おうとする人に事故で死ぬかもしれないとはいわないでしょう。でも購入者が安全ですかと聞けばいや使い方次第ではあぶないものですよと当たりまえのことはいうでしょう。
絶対安全だとはいわないでしょう。
東電が地元民に賠償を支払うのは、絶対安全だから原発を作らせてくれといった以上、事態がこうなればしかたないというか当然でしょう。
X線照射は安全ですという医師に妊婦にもまったく安全ですかといえば、たぶんいや妊婦にはしませんというでしょう。なぜと聞けばどう答えるのでしょうね。胎児は特別にX線に感受性とでも答えるのでしょうか。それともやっちゃいけないといわれていますからと答えるのでしょうか。危険性よりもメリットが大きければ人は飛行機にも乗るし時速400キロの列車にものります、でも危険性がすこしはあることは誰でも知っています。
この放射能の人類の利用のメリットと危険性の問題くらい悩ましい問題はありません。
DNA損傷のもっとも大きな原因である放射能を使うエネルギーには強い嫌悪感をもちますが、一方でメリット面も理解はできます。一番の悩ましさはわからないということです。
いま生まれた乳児はこれから90年くらい生きる可能性が高いのです。放射能が一過性的に体を通過した時に損傷なり変化した細胞がどれくらいの期間生き続けるか、わかりません。放射能物質がなにかの生体部分として長らく残存する可能性もあるかもしれません。
放射線が強くて沢山の細胞が死滅するようなケースと死滅細胞はすくないのに変異細胞が沢山生まれるニトロソグアニジンのような変異原があります。わたくしはパスツール研究所で多数の研究者を癌にさせたと言われる、ニトロソグアニジンのような効果をもつ未知の放射性物質が原子炉でもしも生まれたら怖いとおもっています。つまりDNA変異をおこした体細胞は死ぬまで体の中にいるかもしれないからです。
いずれにせよ分からないことを分からないと言えない人たちの言説は信用できません。