新聞では日野原重明博士の百才を寿ぐ記事や広告がたくさん。
すごいを通り越して、日本の長寿者ナンバーワンの活躍であるにちがいありません。
おっしゃられることはすべてもっとももっとも、という感じで、頭を垂れるというか、うちひしがれるような神々しさの高齢者です。いっぽうで、日野原信者というか先生がおっしゃれることをよく聞いてフォローしようとする人たちも増えているに違いありません。先生の書かれた本をよむと、北朝鮮へのハイジャック飛行機にたまたま乗っていたのが、人生の転機だったとのことです。
信州大学医学部の医師たちがチェルノブイリでの経験もふまえ、福島の子供たちの甲状腺の診断をしたとのニュースを読みました。10%以上の子供たちで、ホルモンの低下などの異常が見られたtの報道です。心配です。医師たちの肉声での発言を聞きたいです。甲状腺癌の増大はおよそ4から5年の経過で分かると言われています。いまの段階では心配どまりですが、でも心配です。
昨夜はノーベル賞医学生理学賞の発表がありました。自然免疫のパイオニアが3人選ばれたようです。そのうちの一人はロックフェラー大学の先生で、わたくしの元同僚の稲葉先生の共同研究者であることはわたくしも知っていました。樹状細胞という珍しい名前も先生の発表で知りました。なんと驚いたことに、発表の数日前に亡くなられていたとのことでした。でも発表したので、そのまま授与されるということでした。良かったのでしょう。ロックフェラーでラボをもっているFさんからもメールがありました。
つらつら思うに、日本はノーベル賞候補になると湯水のように研究費を使って、宮殿のような研究室(失礼)を立ててもらって、特別扱いをうけることが多いようですが、そんなのでいいのでしょうか。なんかヘンです。関係者はもっともっと反省した方がいいとおもいます。
大学や日本政府の特別扱いは、なんらかの反感をかうのはいたしかたないし、後ろからのサポートが贔屓の引き倒しのような効果をもたらすかもしれません。もっと普通に学問をやりたいものです。
これまでノーベル医学生理学賞の有力候補になって、けっきょくもらえなかった日本人の研究者たちがこれまで一体何人いたのか、そしてなぜそうなったのか。数え出すとゾッとしてきて、途中でやめました。
わたくしたちはもっと胸に手をあてて考える必要があると思います。
なぜなら、物力や金力もありすぎれば味方を敵にまわしてしまうのです。親が子供をスポイルするのと同じです。