ホウ酸注入中の福島第一原発、なつかしい教授の二字

福島第1原発で核分裂の可能性 キセノン検出、ホウ酸注入との共同通信のみだしです。他の報道も似たりよったりの見出しです。
記事は、東京電力は2日、福島第1原発2号機で原子炉格納容器内の気体から放射性キセノンが検出された可能性が判明、核分裂が起きている恐れが否定できないとして、原子炉に核分裂を抑制するホウ酸水を注入したと発表した。  原子炉の温度や圧力、放射線量を測定するモニタリングポストの値には変動がないという。圧力容器への注水は継続ーーーーー

問題ないといいたいのでしょうが、それも言い過ぎかもということでこういう回りくどい表現なのでしょう。わたくしの乏しい知識では、現状は連鎖的な爆発に向かわない程度の臨界核分裂が起きたと言うことなのでしょう。
一番の問題はこれが当然予想された出来事かということです。たぶん、そうではないのでしょう。これまでそのような警告はありませんでした。
結局、細長い棒の中にきちんと入って整然と配列していた多数の核燃料の棒(長さが4メートルとか)が高熱で溶けてしまっているのです。それが巨大なかたまり(たぶん)になってしまっているので、いくら冷えているとはいっても、かたまりの真ん中がどうなっているのか、分からないのではないでしょうか。
そもそも後で、棒を一本ずつ引き抜くような作業はもうできないので、冷温停止というのは普通の意味の冷温停止ではないのです。
その大きな溶けた核燃料のかたまりのどこかで予想できない反応が起きて、臨界に達する局所部分があったのでしょうか。英語で言うアモルファス状態の核燃料ですから、起こる出来事の完全な予想は困難と聞いています。冷えているのは確かですが、休火山が突然活火山になるのと類似の出来事があるのかもしれません。
ですから、冷温停止は整然とならんだ多数の核燃料棒がある時の表現で、このいまの福島原発は非常に異なる、そういうことなのでしょう。この違いは専門家の一部のかたがたは常に指摘しているようですが、一般には充分伝わってないのでしょう。無用の不安をあおってはいけない、と言うことで今回の東電発表もたいしたことは無いと言いたいのはよく分かりますが、しかし実情を正直に伝えるのがこの病気に効く一番の良薬です。

きょう沖縄大学院大学の名刺をいただきました。
教授という二字が見えます。
京大の定年後の称号の特任教授とは実際には身分は研究員のいいかえでした。
率直に懐かしいという表現がいまのわたくしにはピッタリです。
大学人になれるのだ、というのは正直そうとうに嬉しいです。
狭い部屋から抜け出せて大声で怒鳴れる感があります。

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