聞いた話しなので確かめたわけではありませんが、聞いたとおり書いて見ます。
中国の建築工事では、24時間休み無しにやる、土日はない、だから非常に速く進む。
この北京大学構内の学部教育棟、非常に大きいものですが、わずか四ヶ月でできました。
鉄道や地下鉄もそういうふうにやるので、設計から完成まで非常に速い、いまの中国ではだいたいこういう調子です。昨日も北京市ないで3つの新しい地下鉄が完成しました。
本当だとすると、一日が3倍になり、週末も24時間やるのなら、6日分で、つまり4倍のスピードで工事が進むという計算になります。1年4ヶ月かかるものが4ヶ月でできる、そういうことになるのかもしれません。ということは、建築現場では一日なん交代とか週末も交代とかいまの福島原発の現場のように24時間対応をしているのでしょう。
日本での工事進捗スピードを中国と比較しても今は意味が無い、そういうことになるのでしょうか。
日本はなんでもやたらに時間がかかるというのは実感です。
いまわたくしがなんとかならないかと思うのは、研究上の規制のある問題を承認してもらうのに非常に時間がかかることです。個人の協力をえて検体を頂く研究ですが、倫理規定をクリアする必要があるのですが、書類の準備は当然として、委員会の開催が年に数回しかない、ので2,3回必要だともう小一年かかってしまう。わたくしなども最初からあきらめの心境で、関係のアドミや委員会も急ぐ気配などまったくありません。
これが日本の現況です。研究のスピードアップなんて、いまの若人も含めてタブーです。わたくしのラボも、もしもわたくしが土日のどちらかくらい働いたら、なんて次の就職口を探しているポスドクなんかにいったら、人権蹂躙の言動といわれるでしょう。
しかし中国に追いつき追い抜かれつつある日本の現場なんかも相当あるでしょうが、どうしているんでしょうか。日本のソーラーパネルや車の電池なんかも、そのうち100%中国製パネルになるんでしょうか。車だって、そのうち中国からの輸入品の車になるのは目に見えています。
むかし黒部の太陽という映画をスイスでみて、恥ずかしい思いをした記憶があります。まさに今の中国のように激しくはたらき急いでダムを造るという工事現場が当時の欧州感覚ではもう理解出来ない、貧困の国の激烈な労働環境に見えたからです。歴史は繰りかえすのでしょうね。日本はまさギリシアにはならないでしょうが、イタリア南部かスペインくらいにはなる可能性があるんでしょうね。いまから40年後には。
あんまり日本人はノンビリしすぎていては、すべてのチャンスを失っていく、というのが日本人として70才に到達したひとりの正直な感覚です。急ぐと言う感覚をもう一度現場に持ってきて欲しいということですが。単に働く量を増やせばいいのではありません。スピードアップのための工夫です。