高倉健さんが健在と知って嬉しくおもいました。もう80才、しかし写真を見ると、まったく風貌かわりません。枯れてきて、男としての魅力が増してきたようにすら見えます。
長いこと表に出てきませんでした。理由は前作での経験(たしか中国)で、納得したものしか出ないと決めたのだそうです。なんともいえず、健さんらしいこだわりではないですか。
世の高倉健ファンを元気づけた出来事でした。
勝新さんが亡くなってもう長いです。麻薬所持で捕まって、後の会見でこんどはパンツをはかないと迷言をはいた勝新さんです。座頭市かなり愛好してみました。フーテンの寅さんの渥美清さんが亡くなって何年経ちました?15年です。なんとも寂しいことです。美空ひばりさんなんか亡くなったのは20年前です。池辺良とか丹波哲郎とか、いい俳優でした。
何を話題にしているのか、もちろんやくざの(ような)ヒーロー像です。美空ひばりがほされたのはかたくなにやくざの親分とつきあおうしたからです。ヤクザのヒーローを全否定してしまったら、わたくしのような温厚かつヤクザといっさい縁が無く人生を送った人間でもなんかですら、人格の5分の1くらい消えてしまう感じです。
大阪の橋下知事、元吉本の紳助氏もちろん表側の人格の一部、誰もが知っているヤクザのある種の性格が丸出しです。
実はここで話題にした俳優さんだれも警察官役をやらせたら、実に味のある演技を見せるにちがいありません。わたくしは、やくざ礼賛などをする気持ちはありませんが、日本の社会では秩序は警察とヤクザが対になって、つまり補完して成りたってきた面が間違いなくあるのです。
ヤクザもある状況では、最高の正義の味方なんでしょう。だからこそ、健さんや勝新が人気を博したのでしょう。でもそういう時代は終わったというのが今の日本の社会らしい。
それじゃだれが正義のみかたなんですか?
警察官ですか?でも、正義の味方警察官はヤクザがいて始めて存在意義があるのでは(これは言い過ぎです)。
わたくしなんか子どもの頃の暗い映画館で、善と悪がまんじ巴になって繰り広げる、時代劇や勧善懲悪もの固唾を呑んでをみて、人格ができてきたので、絵空事ならば、善も悪も両方好きです。
しかし、人生の相当多くは絵空事なのではないでしょうか。ヤクザそっくりの物言いをするひとが実にすばらしい市民である、なんていう社会がわたくしは嫌いではありません。だから本物のヤクザは少数でも日本の社会でぜひ生き続けて欲しい。こう言うのはたぶん非常にいけない事なのでしょうね。でも、病気が完全に無くなったら、医者がいなくなりますよ。
そんなわけで、どんな風にいまの若い人たちが正義感を育てるてるようになれるのか知りたいものです。高倉健さんももうヤクザ役は決してしないでしょう。
ところで安藤昇氏の消息を聞きませんが。