等高目線

さいきん目線という言葉をよくみかけます。
上から目線ていいますね。
くだけたというか赤裸々には見下すということですね。
下から目線とはそうなると、へりくだるというか、謙遜というか、部下の態度というか、そんな風に使ってるようです
だいたい現代の日本人は、相手が露骨に上から目線だといい気分は持たないのですが、相手が徹底的に下から目線だとあまり違和感を感じないみたいです。でも、諸外国の人々の中には下から目線が気持ち悪くなることがあるでしょう。なんであいてがそんな風にへりくだるのかが分からないのです。
ですから、下から目線は世界的にはあまりポピュラーでないのに、日本では当然と思われます。

おもしろいのは、下でも上でもない等高目線とでもいえる、目線が日本ではあまりいわれないのです。
話題になりません。でも実行すれば案外スリルがあるのですが。
たとえば、初対面のえらいさんというか社長さんに、新入社員が「やあ、社長、こんにちわ」とか等高的なもののいい方をしたらまわりは驚きハラハラするでしょう。というかそんなことは日本ではありえないでしょう。
等高目線は日本にとって最大の課題であると、わたくしはひそかに思っています。
というか、等高目線にともなう言語というかはなしことばの確立が日本社会の課題なのだとおもいます。
何年か前に、台北に行ったときに、米国帰りの研究者がラボで自分をファーストネームで呼ぶように学生にいくらいってもどうしても駄目だったと、いっていたのを思いだします。
日本で、日本人の学生が教授の名前を呼び捨てで呼びかける、つまりみつひろと呼びかける、日本でもわたくしに限らず難しいでしょうね。等高目線を確立しようとすると、そこまでいかねばならぬのか、そことのところはわたくしには分かりません。
しかし、先生と呼んではなかなか等高目線にならないのですね。それで柳田さんと、呼ぶのがいいということで実行しているところは沢山あるはずです。わたくしのラボもある世代までは、わたくしを柳田さんと呼んでくれます。でもある世代から柳田先生となってしまいました。しかたないし、そのままにしています。わたくしの従兄弟はだいたいみっちゃんとわたくしを呼びます。ラボのみなさんにわたくしをみっちゃんと呼べといったら、まあ本当に困るでしょうね。

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