清浄な一日の後で考える

比良の家に行きました。橋を渡ったところにある、つばき地蔵さんの前はがりがりの雪でして、そこを曲がったらもう処女雪でした。驚きでした。昨夜降ったのでしょうか。雪は10センチ程度でしたが、いつもはだれかは水田などをみにくるはずですが、車のわだちはありません。政府が出したお金で鹿よけの背の高いフェンスが水田地帯を囲むように延々あるのですが、こういう雪の日こそはフェンス内に動物が入ってきたかどうかみるのに最適なのですが、だれも調べにこないのは探求心の欠落か。
わたくしが代わりにというか自分の好奇心で調べに行きました。いましたいました、森から這い出してきた動物が歩いて水田からわたくしところの敷地を通って森の中に入っていきました。一匹です。タヌキということに仮にしました。例の石のたくさんあるあたりにはウサギとおぼしき足跡がいくつもあって、急な崖を走りおりていました。足跡が飛んでいるのでそうでないか、という推論です。もうひとつ分からないのが、水田を囲むようにある用水を飛んでいる足跡がかなりありました。なんでしょうか、距離があるので足跡のかたちがよく分かりません。ウサギが跳ぶのか、不明でした。鹿とおぼしき足跡は皆無でした。これで何種かの動物はこのフェンスをものともせずやってくることはたしかでした。当然ながら、カラスの足跡がかなりあります。見ているとかなりおもしろい。
そのあと、つぶやきのほうでも書きましたが、椎茸菌をこのあいだIさんが切って適当な長さに揃えてくれたならの木の丸太7本に打ち込みました。市販の椎茸菌ですが、強力な電気ドリルで穴をあけて、300以上もあけて、そこに小さな木にしみ込んだ椎茸菌を打ち込みます。結構の労働でした。時間もかかりました。説明書どおりにやりましたが、思いのほかの時間でした。でも楽しみです。
Iさんが作ったならの丸太はまだだいぶ残っているので、もう一日働かないといけません。
冷たい空気の中で力を込めて穴をあけていると、いい気分で、暗くなって終えたときにはかなりの達成感でした。
こういう清浄な一日を終えて、比良のほうで晩ご飯を食べて、比叡の家に戻って、いまこうやって書いているのです。清浄な気分の一日のあとでネットを見ると、世の中の動きは清浄とは行かないことがよくわかります。土曜ですから、静かな一日とも思いたいのですが、そうもいきません。日本という国がどこに行くのか、不安に駆られる人達がどんどん増えているのではないか、とおもいます。
ソニーやパナソニックの赤字の額、すごいものです。想像しにくい何千億という赤字額です。他にも沢山の電気系企業はみなおなじようなすごい赤字です。誰もわかる解説をしてくれませんが、破綻はすぐはしないのでしょうが、相当なリストラが必至なのでしょうか。そういえば任天堂もかなりな赤字とか。教育問題がやかましくなってきたようです。東大の秋入学これはかなりのインパクトを世間にあたえていますね。たぶん子ども達にも相当な影響があるにちがいありません。それに橋下市長の不適格教員なるものへの対処がかなりの議論を呼んでいます。重要問題に違いありませんが、良い方向に議論が向かっているようには思えません。両方がいきり立ってきてはいけないので、いまの日本の苦境のひとつは教育にも問題があるのかもしれない、そういう問題意識で胸襟を開いて話し合えることがのぞましい。色んな人が発言すればいいのです。わたくしは日本の教育者なるのにほとんど信をおいていませんので、ちょっと偏見があるのですが、こういう苦境なのだから、みんなでこころを開いて将来を考えるのがいいのでしょう。
税金問題と財政負債というか破綻というか、この国のお金に関わるはなし、これが一番頭が痛い問題で、ちょっとでも考えれば、出口のない話ししかないようです。清浄な気分などどこかにいってしまいました。
しかし本当のところ、いまはそれほど悪くない時代とおもっています。本格的に悪い時代はこれからしばらく経ってからくるものだとおもいます。だからいまは、まだまだましなのではないか、とおもっています。

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