平成天皇のお気持ち

わが国の天皇は日本人ではもちろんあるのですが、普通の日本人といろいろ異なった点があります。国家の象徴としての存在なので、当然といえば当然でしょうが、でもたったお一人の公務、仕事をもち、その仕事によって日本という国家が動いているのです。日本という国を一日中考えるお立場であり、大変におもく重要な立場です。個人で引き受けるにはあまりに重い職責であり、そのためにも幼時から帝王教育がなされてきているのでしょう。しかし、宮内庁でおそばにつかえなければ天皇の公務がどれくらい大変であり、天皇自身が公務をどのようにお考え、どのような意欲でお仕事をされているのか、想像するのは困難です。
昨年の3月11日の大震災以来、陛下の心を痛めていることが飛躍的に増えたのは間違いありません。
陛下と常に行動をともにする皇后のご心配もおなじであるにちがいありません。
平成天皇はいつもわれわれとずっと一緒におられると思ってきたのが今回の陛下のお病気と手術という出来事で、日本の社会も陛下のお仕事とお身体のことについて、覚醒したのではないでしょうか。陛下は皇太子時代がながくヤングプリンスのイメージが強かったのでした。しかし、天皇となってもう20年以上、もう決して若くはなく、いまのご公務も実際には相当な負荷になっているのではないでしょうか。
いま、このようなとき国民の心配は誰が代弁してくれているのでしょうか。首相なのでしょうか、それとも別の誰かがいるのでしょうか。
国民のお見舞いの気持ちは確実に伝わるに違いありません。しかし、これからどのように公務の激務の軽減化をして頂くのか。陛下のお気持ちを聞きたいとおもう国民は増えているに違いありません。
お心を忖度するよりは陛下が今後公務をどのようなおつもりでおやりになられるのか、陛下のお気持ちを聞きたいと願う国民の数は増えているようにおもいます。
わたくしもそのひとりで、陛下のおこころのように公務をお続けになるのがいいとはおもいますが、お気持ちを聞きたい願う一人ではあります。

最近の流行のことばで言えば、長い歴史を持つ、日本の国家としての統治機構の中心は決して首相ではありません。天皇が中心にあることはいうまでもありません。皇后とのおふたりでのお仕事をまだまだ続けていただきたいと願ういっぽうで、この際、お心とお体を十分に休めていただきたいものです。

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