大学、研究所はサービス業、 学術で人とお金を集める、大阪の復興

わたくしはわが国の未曾有のこの国難において、大学や研究所はサービス業としての機能をおおいに発揮するのはどうだろうか、とおもいます。
というのも、国内各地では企業誘致したのに、ここに来てアジア各国に工場が逃げてしまうという事態が頻発していると聞きます。栃木県でもそういうはなしを聞きました。補助金をだし土地も事実上無償でわたしたのにさっさと逃げていく企業に怒りを感じる自治体は多いとも聞きます。しかし、ものづくりジャパンといくらいっても、百円ショップとか激安という広告をみたら多くの人が足を運ぶようになってしまったわけですから、アジアと直接競争するような製品を工場でいくら作ってももう未来はないことははっきりしています。
わたくしは自治体はもっともっと学術や教育が工場誘致よりずっとましなゼニの元になることを認識すべきだと思うのです。また大学や研究所はいまよりもっともっとサービス業的にならなければいけないのではないかとおもうのです。ともあれ人があつまることはゼニの元です。
たとえば滋賀県ですが、わたくしが住み始めた頃は、滋賀大という文系色の濃い地方国立大学一つしかなかったのに、いまは立命館、龍谷、滋賀医大、県立大、バイオ大、等等とと沢山増えました。理系が多いです。比良のほうにある成蹊スポーツ大学も体育大学でなくスポーツ関連大学ですので理系ですから、滋賀の大学は相当数が理系になり、かつての状況から一新されています。人口140万ですが、まだまだ増やしても問題ないと思われます。大学生の数、教育、学術関係の人口は飛躍的に増えているはずです。
学術、教育というのは、人が集まる、住む人が増えるのです。
そして、生まれる知識が有益、役に立つのならお金を出してさらに研究をしてもらおうという企業や自治体が増える。レベルの高い人達が増えればどんどん関係者が増える。
シンガポールの狙いはもちろんそこにあるわけです。
人が集まり人口が増え、お金を提供して新知識を生みだしてもらう、そしてそのような環境で勉強をしたり何らかの資格を得たい人達が増える。
つまり知識をてこにした、人々が従事するサービス業が本来の大学や研究所の役割でしょう。なにも世界トップレベルでなんかなくてもいいのです。長期的に人々が好んで集まってきて好んでお金が入ってきてそのお金がまわればいいのです。
わたくしの描くピクチャーは素朴なものですが、でも学術の根幹はそういうことです。これまで、日本のトップレベルの学術教育関係はそのような考えが希薄でした。わたくし自身もそうでした。しかしいまは心をあらためました。
こちらがどんどん出前で出かけていくべきなのです。インターネットの時代、人を実際に集めるためにはその前の段階、つまり世に知られてかつ評判がよくなければわざわざ人々はやって来ません。日本はどこにいってもみな魅力的な地方づくりはできるのですから、いかにして人々の興味がたかまり、人があつまるか地方地方独自の工夫が必要でしょう。
最近、大阪からの発信が増えてきました。もともと大阪はともあれ人が多いことが特徴でした。何もあるようにみえないのに、インテリジェントな人々を財産に繁栄をつづけたことはだれもが知っていることです。その活力が大阪に戻りだしたように思えます。優秀な大阪人が他の地方人を呼び寄せています。大阪の真の意味での復興が目の前まで来ています。
そしてその活力のもとになっている一人の人物は教育がいちばん大切といっています。
まさにその通りだと思うのです。教育レベルを高めるのにどうするか、今の時代日本国中、世界中から足を運んでもらってやってきてもらうのが一番の策です。学術をてこにした、人とお金を集めること、決してくだらない考えではないでしょう。

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