本日のギリシア総選挙の結果次第では、ヨーロッパが苦境に、そして日本も高見の見物というわけにはいかないことになるのかもしれません。シリア内戦においていっこうに事態がよくならないこととあわせて、この30年間くらいのヨーロッパの1つの中心的なドクトリン(教義)が壊れて、自信喪失になるのかもしれません。その教義とは、あるいみで優越者のもつ余裕で、ギリシアもシリアも言うことを聞くはずだ、よもやいっさい耳を貸さないというようなことはあるまい、という欧州優越観といいましょうか、じぶんたちこそがより真理に近いところに立っているのだ、という確信でしょうか。
しかし、ギリシアは言葉だってギリシア文字だし、宗教もギリシア正教だし、名前だって欧州の人でも発音できないのが多いし、ずいぶん違う国でしょう。これから何十年も借金を返すためだけに奴隷のような生活をするくらいなら、ユーロを離脱したい、というギリシア国民の衝動は強いと想像します。それは合理的思想に反しますが、しかしそこがギリシアでしょう。トルコよりもギリシアのほうがずっと左翼アナーキーは強いとおもいます。政治不信も長いですし。民族主義よりも、個人が生きぬくには、と自問自答する国民性でしょうし。しょせんドイツ人あたりと共通点はちょっとしかないでしょう。いわんやシリアは回教国です。いくら大統領が西欧で教育を受けたといっても、ヨーロッパの軍門には逆にくだらない傾向が強いかもしれません。
失うものがより少ないギリシア国民がユーロ残留、緊縮財政にノーといえば、合理に反しますが、でも地下のマルクスが喜ぶような国際反緊縮財政ののろしがあがるのでしょうか。
これらの問題に米国の強力な影響をほとんど感じられないのもいまの時代の特徴です。
しかし、ギリシアがユーロ圏を離脱すれば米国も大きな打撃をうけるようです。
あしたから台湾ですが、台風がかなり近づいていて、那覇ー台北便が無事にあす離陸できるのか、天気予報とにらめっこです。たぶん大丈夫でしょうが、かつて那覇空港で大爆発をおこした会社ですので、もしかしたらやたらに慎重になるかも。杞憂だといいのですが。東京のオフィスの方に電話しても、台湾の本社が決めるまではなにもわからないという、返事です。一番近い外国ですが、なかなか台風ともなれば簡単ではありません。